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「クレイジーだ! 最悪のジャッジだ」スノボ村瀬心椛の“銅”不可解採点の深層…米レジェンドも憤慨「北京の平野歩夢以来」問題はなぜ起きた?
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矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byNanae Suzuki/JMPA
posted2026/03/03 11:04
スノーボード女子スロープスタイル、金の深田(中央)のランは素晴らしかったが、疑問の残った採点で銅の村瀬(右)は悔しそうな表情も見せた
「なんだと! クレイジーだ!」
リチャーズ氏は村瀬のランの直後には「すべてのジャンプが完璧。絶対にトップだ。これは間違いなく金メダルだ」と絶賛していたが、採点が出た瞬間に「なんだと! クレイジーだ!」と憤慨した。
リチャーズ氏の怒りは放送後も収まらず、インスタグラムの動画で「かつて見た中で絶対に最悪のジャッジだった」と吐き捨てるように言った。「審判の皆さんには申し訳ないけど、本当にひどいジャッジだった。新しいテレビが必要だと思うくらいひどかった。720が2つの選手に金メダルなんてありえない。レールもそんなに良くなかった。本当にひどいジャッジだった。今回の件で非難を浴びるのは皆さんだ。本当に最悪だった」
ニュージーランド大手メディアの「ニュージーランドヘラルド」は「ゾイ・サドフスキシノットが金メダルに値する滑りを見せたのではないか、という批判が一部の専門家から出ている」と報じている。サドフスキシノットは深田に0.35点及ばず銀メダル。ニュージーランド国内では「金メダルを剥奪された」という刺激的な表現も飛び交っていた。
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サドフスキシノットの3つのジャンプは「スイッチバックサイド900(2回転半)」「フロントサイド1080(3回転)」「バックサイド1080(3回転)」で、これらの高難度トリックをいずれもパワフルに決めていた。
北京五輪の平野歩夢以来のひどいジャッジだ
冬季オリンピックで不可解な採点が批判されたり議論を呼んだりするのはもはや毎度のことであり、前述のリチャード氏は今回の女子スロープスタイルに関して「22年北京五輪の平野歩夢(の2本目)以来のひどいジャッジ」とも語っていた。
平野は北京五輪男子ハーフパイプ決勝の2本目に世界初の「トリプルコーク1440」を入れたルーティンをフルメイクしたものの、点数が抑えられてこの時点で2位。コロナ禍による無観客開催だったにもかかわらず、各国のコーチ陣やメディアのブーイングで会場は騒然となった。
その後、平野は3本目に有無を言わせない出来映えで再び「トリプルコーク1440」をメイクして劇的な逆転優勝を飾ったが、2本目の不可解採点に関しては今も語り草となっているほど、誰もに疑問を抱かせた。


