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「私から(浅田)真央が受け継いでくれて」そして“浅田に憧れた”中井亜美・島田麻央へ…レジェンド伊藤みどりが語った「トリプルアクセルの系譜」
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野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byKYODO
posted2026/03/02 17:02
伝説の先駆者・伊藤みどりさんが、誰もが憧れる大技“トリプルアクセル”の魅力とその歴史を語り尽くした
「トリプルアクセル3本なんて尋常ならぬ快挙です。19歳の真央の、技術も体も心もすべてが揃った時期のジャンプでした」
バンクーバー五輪後は、佐藤信夫コーチのもとで基礎から見直した浅田。ジャンプのフォームを1回転からやり直し、トリプルアクセルも飛距離と流れのある大人のジャンプへと変化させた。'14年のソチ五輪ではSP16位と出遅れるも、フリーではすべてのジャンプを降りる。五輪2大会連続でのトリプルアクセル成功者となった。
その後、浅田が休養していたシーズンには、ロシアのエリザベータ・トゥクタミシェワが女子史上6人目の成功者に。さらに「バンクーバー五輪で浅田を見て憧れた」という長洲未来(アメリカ)が、'18年平昌五輪の団体戦で決めた。
増えてゆく挑戦者
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一方、日本にフィギュアスケートブームが広がることで、全国的にトリプルアクセルの挑戦者は増えていった。濱田美栄コーチのもとで育った紀平梨花は14歳でトリプルアクセルに成功し一躍話題の人となった。
「とにかく身体能力が高く、ジャンプを跳ぶ脚力も、空中でコントロールする体幹も秀でています。構えも長すぎず、軽やかに跳ぶ。以前『すごく質の良いトリプルアクセルだから頑張って』とエールを伝えたこともあります。トリプルアクセルのバトンを、真央、そして梨花ちゃんへと渡せたことが本当に嬉しかったです」
'18年にはアメリカのアリサ・リュウが12歳で、'19年にはロシアのアリョーナ・コストルナヤが16歳で、さらに'21年に同じくロシアのカミラ・ワリエワも15歳で成功と、若い海外女子の成功者が続く。
そして今季、日本からもあらたに2人のトリプルアクセルジャンパーが誕生した。 樋口新葉は'21年10月のスケートカナダのフリーで降り、世界12人目の成功者になった。


