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「年齢制限でわずか4カ月届かず…」五輪出場ならずも“日本女子フィギュアの秘密兵器”中井亜美17歳と同学年の島田麻央が13歳の時に語っていたこと 

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野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph byAsami Enomoto

posted2026/03/02 17:01

「年齢制限でわずか4カ月届かず…」五輪出場ならずも“日本女子フィギュアの秘密兵器”中井亜美17歳と同学年の島田麻央が13歳の時に語っていたこと<Number Web> photograph by Asami Enomoto

昨年12月のフィギュア全日本選手権で銀メダルを獲得したものの、年齢制限によりミラノ・コルティナ五輪への出場は叶わなかった島田麻央(17歳)。“日本女子の秘密兵器”といわれた彼女が13歳の時に語っていたこととは?

 すでに東京にいた時からトリプルアクセルに着手していたが、まず課題となったのは、ダブルアクセルの修正だった。

「それまでは正しいアクセルの跳び方ではなかったので、濱田先生は紀平梨花選手にトリプルアクセルを教えたコーチですし、直して欲しいと思っていました。前の跳び方は、左足が離氷する前に回転して、高さが出なかったので綺麗なアクセルを跳びたかったんです」

 ダブルアクセルが修正されると、すぐにトリプルアクセルへと移行。同じリンク内には、紀平、ユ・ヨン、吉田陽菜、河辺愛菜らのトリプルアクセルジャンパーがいた。

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「お姉さん達が目の前で跳んでくれるので、真似して跳ぶようにしました。テレビよりも肉眼で見た方が迫力もありますし、どれくらいの高さで跳ぶのか分かります。吉田選手や河辺選手が試合で降りたことで、自分も跳びたいと強く思いました」

トリプルアクセルより4回転を習得

 '20年全日本ノービスでは、未完成のままトリプルアクセルに挑戦。11歳の女子が挑んだことは、大きな話題になった。しかし濱田コーチはより戦略的に考えた。それはロシアと同様、トリプルアクセルよりも先に4回転を習得することだった。

「濱田先生から、4回転もやってみよう、と言われました。もともとトウ系のジャンプが得意なので、なかでも一番簡単な4回転トウループから練習を始めました」

 読みが当たり、島田は数カ月で成功。2021年3月の国内戦で、日本女子初となる4回転トウループを降りた。まだ小学6年生の島田は、その歴史的な重みよりも自分の快感を喜んでいた。

「4回転トウループは、すごく気持ち良いです。ほかのジャンプよりもすごくスピードを出して思い切り跳ぶ。怖いと思ったことは無くて楽しいです」

参考にするのはロシアの女子

 今季は、3戦連続で4回転トウループを成功。なかでも、推薦出場した'21年11月の全日本ジュニアは、荒川静香以来27年ぶりの中学1年生による優勝となったが、控えめに静かな笑みをたたえ、こう話した。

「今日はあまり疲れませんでした。来季はジュニアに上がるので、まず4回転トウループ2本を入れたいと思います」

 4回転トウループ2本を宣言した島田だったが、実はすでに4回転ルッツの練習も始めていた。アクセルを除く5種類で最も得点が高く、もし成功すればロシア女子と肩を並べることができる最強の武器である。

【次ページ】 ワリエワの神業「手を上げて4回転」を分析

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