昨年の全日本ジュニアでは4回転トウループを成功させ、27年ぶりに中学1年で優勝という偉業を成し遂げた13歳。世界を見据える逸材が高難度ジャンプへの思いを語った。
日本女子の秘密兵器――。そう呼ばれる少女がいる。12歳で日本女子初となる4回転トウループを成功させ、13歳で全日本ジュニアを飛び級で優勝した島田麻央だ。
「最終の目標はロシア女子。世界一の選手と対等に戦いたいので、トリプルアクセルと2種類の4回転を練習しています」
145cmの小さな身体の中に、いったいどんな激しい炎を燃やしているのか――。
2008年10月30日生まれ。同年3月の世界選手権で世界女王となった浅田真央にあやかり「麻央」と命名された。東京を拠点にスケートを始め、10歳で全日本ノービスB優勝。より良い練習環境を求めて濱田美栄コーチが拠点とする京都へ移り、'20年4月に木下アカデミーへと加入した。
「私のスケートのために、3歳下の妹も一緒に引っ越しして、小学校を変えました。家族がそこまでしてくれたので、ちゃんと結果を出したいと思って京都に来ました」
11歳の春、そう誓った。
「五輪メダリスト養成所」と銘打たれる木下アカデミーは、チーム一丸となって選手の総合的な育成を担う。ジャンプ、振付、トレーニングなどの専門コーチがそろい、奨学金制度もある。スケートに人生をかける少年少女が集まるエリート集団だ。
「京都に来たら同じ年代の子達が、トリプルアクセルを練習していたのでびっくりしました。それに皆、普段の曲かけでも失敗しないんです。私も、本番みたいな気持ちで、気合いを入れて曲かけ練習をするようになりました」
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Manabu Takahashi