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オリンピックへの道BACK NUMBER
「次のオリンピックで…」りくりゅう、坂本花織、鍵山優真が“話し合った日”…個人戦メインのフィギュアで、日本代表はなぜ“最高のチーム”だったのか?
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2026/02/27 11:03
団体戦でも個人戦でもメダルを獲得したりくりゅう、坂本花織、鍵山優真
北京五輪後にりくりゅう、坂本、鍵山が話し合った日
それを生み出したきっかけは、4年前にある。
2022年北京五輪の団体戦に出場し、試合終了時点では銅メダル、最終的にROCのドーピング違反により銀メダルを獲得した選手たちは大会後、話し合ったという。
「りくりゅう(三浦璃来と木原)と(鍵山)優真君と、『4年後にもう1回メダルを獲れるように頑張ろう』と話しました」(坂本)
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その時点から、「次のオリンピックでもみんなで頑張って団体戦で表彰台に上がる」「よりよい成績を目指す」という目標を共有していた。
坂本はそこで心に抱いた意識を実践するように、団体戦として実施される2023、2025年の世界国別対抗戦で主将を務めた。2025年は自らの志願である。そして期間中は、チームを盛り上げるのに尽力する姿があった。ちなみにこのときのメンバーは、女子は坂本のほか千葉百音、男子は鍵山と佐藤駿、ペアは三浦&木原、アイスダンスは吉田唄菜&森田。彼らはミラノ・コルティナ五輪代表でもある。
これまでの五輪との“明確な違い”
ここまで早い段階から、中心をなす選手たちが個人戦に加え、団体戦をターゲットとしたことはこれまでのオリンピックではなかった。従来、個人戦と団体戦への意識の置き方は、どうしても個人戦にかなりの部分があった。
早くからターゲットと意識する中で、皆で戦う意識も培っていった。それがチームとしての結束を築いていった。
団体戦を前にしての「決起集会」で木原が檄を飛ばしたことと、その内容も印象的だ。
「俺はたぶん史上最強のメンバーだと思っている。13年前、団体が始まったときはこういう立場に日本がなることは、俺は思えなかった。みんなが積み重ねてきて、挑戦できるチャンスを持っている。だから自分たちが積み重ねてきた練習を信じてポジティブにいけば、最後の最後で積み重ねてきたものが絶対に出る。みんなでぶっちぎっていこう。絶対に挑戦できる、俺たち」
チームとしての結束はかつてないほど高まっていたことは、彼らを包む空気感、あるいは動作からも明らかだった。

