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フィギュアスケートPRESSBACK NUMBER
「実は周到に準備」高橋成美が明かす五輪“名解説”ウラ事情と木原龍一との“なるりゅう”ペア秘話「ペアの技を一つも知らなくて名前から覚えて…」
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佐藤俊Shun Sato
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2026/02/24 17:01
ミラノ五輪でのペア競技の名解説に秘められた準備と思い、そして木原龍一選手との“なるりゅう”時代の思い出まで、高橋成美さんに聞いた
龍一は努力家で計画的
1年もない準備期間だったが、ソチ五輪に出場を果たす。結果は団体戦5位、ペア個人戦ではショートで18位に終わり、フリーには進めなかった。ペアを組み、ともに時間を過ごした中、今につながる木原の良さはどこにあると見ていたのだろうか。
「龍一は真面目で、すごい努力家ですね。技を習得するにも、今とりあえずできればいいではなくて、先のことを見越して基礎の練習をしっかり積み重ねていくんです。ソチに出たときも、団体戦から個人戦のフリーまで見据えて調整を考え、試合直後に筋トレをしたり、サプリメントを摂ったりと、計画的に行動していました。
私は一喜一憂する感覚派だったので、対照的でいいバランスだったと思います。りくりゅうも性格が対照的ですね。璃来ちゃんが楽観的で、龍一が心配性。そういう意味でもバランスが取れたペアだと思います」
快挙をきっかけにペアの仲間を増やしていきたい
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今回の金メダルという快挙が今後フィギュアスケート、そしてペア競技に与える影響を、高橋さんはどう考えているのか。
「日本におけるペア競技の一番の課題は、環境なんです。リンクは年々少なくなっていますが、ペアはシングルのスケーターと一緒に練習ができないので貸し切りにしないといけません。アイスリンクは常に人気なので、結局夜中にしか練習ができなくて、費用もかかってしまう。
でも、今回のりくりゅうの金メダルで、子どもたちが憧れたり、やりたいと思う人が増えてくれば、おのずと環境が良くなると思うんです。ただ、それに頼りっぱなしではいられないので、その恩恵を受けながらも、私たちもがんばってペアの仲間を増やしていきたいですね」
そう言えば、りくりゅうの二人だけではなく、高橋さんを含めた3人の関係の深さを物語るシーンがあった。ミックスゾーンで、最後に高橋さんが「みんなで言いたいことがあるんだ」と伝え、3人で「ペア大好き!」と声を揃え、笑顔を見せた。最後まで、りくりゅうとの深い絆と信頼、そしてペアへの愛を感じさせる“名解説”だった。
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