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「試合を投げたのか?」“0-3で17歳投入”に疑問の声も大逆転…J1復帰ジェフ48歳監督が明かす舞台裏「ギャンブルでは…信頼してくれない」
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田村修一Shuichi Tamura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/02/26 17:02
ジェフ千葉を劇的な形でJ1昇格に導いた小林慶行監督。当時の舞台裏を明かしてくれた
「ラスト10試合ぐらいは『無』だったんです。自分でも不思議なぐらい落ち着いていました」
――試合後会見でもそれは分かりました。勝っても負けてもほとんど変わらない。やることは決まっていると、すごく淡々としていた。
「一喜一憂せずに、粛々としていました。ラスト10試合で負けたのは長崎戦だけです。その間、選手たちもいいパフォーマンスをずっと続けてくれた。結果は神のみぞ知るではないですが、選手の顔や発言を見聞きしても、自信を掴んでいるのがわかりました。
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だからこそ僕も色々なことを落ち着いて見ることができて、大宮戦でもそれは続いていました。0−2になった時も、そこで熱くなるとスコアに引っ張られてしまいますが、何でこうなっているのかと、自分の中で冷静に分析できていた」
0-3でも「大丈夫」…大宮の選手が足をつっていた
――普通は負けるパターンですよね。
「ハーフタイム時点で2点ビハインドでしたが、選手たちはやるべきことをやっていた。1点取ればひっくり返せるというのは共通理解としてありました。ところがCKから3点目を決められて、さすがにダメージはありました。でも、バタバタするかと言えばそうでもなく、ピッチを見ながら『大丈夫』と思えていた。時間との戦いだなと思っていました。
時間がなくなれば3点は取れないかもしれない。0−3という現実を突きつけられて、スタジアムの熱気も少しずつ落ちてきた。そこをどう変えていくか。今、自分たちが切れるカードで、どんな変化を起こしたら1番いいのかという中で、チョイスしたのが60分の姫野誠でした。もちろん、その後に投入した呉屋大翔と米倉恒貴、品田愛斗の3人もタスクをよく分かっていて、チームに勢いを与えてくれたのは間違いないです」
――「大丈夫」と思えていた理由は何でしたか?
「スタメンで出ている選手たちが、自分のためでなくチームの勝利のために頑張っていた。カルリーニョス・ジュニオも田口泰士も90分出続けたいけど、自分のパフォーマンスを出せるところまで出しきるというスタンスで戦ってくれた。それがあったから、アルトゥール・シルバが脚をつった瞬間に、僕たちが2点目を取る(77分、エドゥアルド)流れになった。あの時、アルトゥール・シルバだけでなく、大宮は最終ラインの選手全員が脚を伸ばしていました。それは前に前に、というアグレッシブさと、スタジアムの雰囲気が乗っている状態を作り出せたからこそだと思います」
「試合、投げたのか?」の声もあったが
――1枚目の交代に、17歳の姫野を選んだことを「試合を投げたのか?」と見る向きもありました。

