獅子の遺伝子BACK NUMBER
「チーム強化を加速させる段階に…」西武今オフ“積極補強”の裏側「危機的状況だった」赤字脱却から描く逆襲のシナリオ〈球団社長インタビュー〉
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph byBUNGEISHUNJU
posted2026/02/05 11:16
黄金期は他を寄せ付けない強さを誇ったライオンズ。低迷期を経て名門復活を目指す
――無観客試合もあった2020年の観客動員数は約30万人、21年は約62万人。収益としては大打撃でした。
奥村社長 非常に厳しい状況でしたね。とにかく経営が安定しなければチームの強化につなげることもできない。まずは安全、安心につながるものを最優先しながらも、不要不急のコストをできる限り抑えて利益を確保すること。会社の経営を元に戻すということを第一に、まず赤字脱却というところにみんなが同じ方向を向いて取り組んでいった時期でした。そういった意味では、当時はチーム強化というところに目を向ける余裕はなかったのかなと思います。
まずは赤字脱却…再建への道
――チームの成績以前にまずは球団として危機的状況からの立て直しが必要だったのですね。
ADVERTISEMENT
奥村社長 チームとして好循環を生み出すために、まずお客さまを増やし、満足していただいてリピートにつなげることを最優先に取り組みました。そうなれば収益が拡大し、利益が出る。それを最大化させたところで初めてチームの強化というところに再投資できるわけです。その先に、チームが強くなってさらにお客さまが増えるという好循環のサイクルをとにかく作っていこう、と。ここ3、4年はひたすらそれを言い続けてきました。
――コロナ禍を抜けて赤字から脱却した段階で、チーム強化へと“再投資”した部分というと……。
奥村社長 チームへの投資を戦略的、かつ効率的なサイクルで行っていくにあたっては、体制強化を目的とした役割と権限の明確化、意思決定のスピード化に取り組みました。具体的にはGM職と本部長職の2ウェイ体制を廃止し、球団本部の責任体制を明確にしたこと。さらに権限の執行に必要な予算について、最適な配分や決断のスピード感を早める体制を構築したというところです。

