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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
ドラフト6位→トミー・ジョン手術から侍ジャパンへ…高校時代は甲子園出場ナシ「寮で一人で泣いていました」超無名の高校生がWBC初選出を掴むまで
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安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byJIJI PRESS
posted2026/01/29 06:02
球界を代表する投手のひとりとなったロッテの種市篤暉。ドラフト下位指名からトミー・ジョン手術も経験するなど波乱万丈の経歴でもある
2023年にシーズン10勝(7敗)でカムバックを果たし、以降、2024年は7勝(8敗)、そして昨シーズンは9勝(8敗)。
アベレージでも140キロ後半、ここ一番の場面では、150キロ台にギアの上がる速球に、なにより落差も大きく変化にバリエーションのある「魔球フォーク」が140キロ前後で動く、動く。
千葉ロッテマリーンズ投手陣のローテーションの一角に、確かな根を下ろしつつある。
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「種市がいいのは、なかなか四球を出さないこと、それに、なかなかホームランを打たれないことです。それと、年々、防御率が良くなっているでしょ。じわじわっと、少しずつね。まさに、東北人です」
球団のある方が以前、そんなことを話しておられた。
「まあ、とにかく、ひたっすら負けず嫌い。そして、どんなことにも一生懸命、手を抜かない。自慢になるかもしれませんけど、あいつだったら、ああなるよなぁって、それが実感ですね」
教え子さんから初めてのWBC選出に、長谷川監督の声が弾んでいる。
「スイッチが入ったら、ほんとに凄い。そんな生徒でした。勉強のほうも、入学してきた頃は目立たなかったのが、どっかでスイッチが入ったんでしょうね、所属していた<建築コース>を1番で卒業していきましたから。高校の3年間で、野球の成長と比例するように、勉学のほうもね」
エースでも…「大きな顔したりしない」
逆に普段の生活では、気配を感じさせない存在だったそうだ。
「マウンドに上げるとガラッと豹変するんですけど、学校でも、グラウンドの練習前なんかでも、いるかいないか、わからないぐらい。エースなのに、レギュラーの子より、メンバー外みたいな生徒と一緒にいるほうがずっと多い。
エースだからって大きな顔したりしないから、みんなに人気があって、そういうヤツだから、マウンドに上がった時にスタンドにいる部員たちがものすごく盛り上がってね。応援がすごかったですね」

