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「サトウの才能はヤマルに劣らないよ」ブラジル人記者ズバリ…佐藤龍之介19歳に見る“日本代表とJ育成の大問題”とは「ピッチ上で年功序列はいらない」 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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posted2026/01/27 06:02

「サトウの才能はヤマルに劣らないよ」ブラジル人記者ズバリ…佐藤龍之介19歳に見る“日本代表とJ育成の大問題”とは「ピッチ上で年功序列はいらない」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

森保一監督に指示を受ける佐藤龍之介。出場機会を大きく増やした1年を経て、ケガ人続出の日本代表にあってW杯出場はなるか

――世界を見渡すと、ともに18歳のラミン・ヤマル(バルセロナ/スペイン代表)、エステヴァン(チェルシー/ブラジル代表)のように佐藤より若くして欧州ビッグクラブに所属し、強豪国のA代表で主力となっている選手がいる。

「シュミットは、ポルトガルの強豪クラブであるベンフィカの監督時代、クラブ首脳からリーグ優勝と同時に、将来の移籍金獲得を見据えて若手を育成することを命じられた、とも語っていた。欧州、南米ではこれがごく当たり前の考え方。でも、日本ではこういう考え方をするクラブが少ないように思う」

――今大会でキャプテンを務めた市原吏音が海外移籍を前提にRB大宮から離脱しましたが、適正な移籍金が取れるなら、その考え方があっていい。ちなみに公式戦キャリアについて、佐藤とヤマル、エステヴァンについて『transfermarkt』をもとに比較すると以下のようになる。

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佐藤:35試合6得点2アシスト 出場時間2335分
ヤマル:131試合35得点46アシスト 出場時間9581分
エステヴァン:129試合38得点20アシスト 出場時間7392分

佐藤は、日本の同年代では試合経験が多い部類に入りますが、ヤマルとエステヴァンの経験値は佐藤の数倍。なおかつ、彼らは世界のトップリーグでプレーしています。

「これが世界トップの現実なんだよね。でも、佐藤の才能がヤマルやエステヴァンと比べて大きく劣るとは思わない。もし佐藤にも彼らと同じくらいの出場機会を与えられていたらもっと凄い選手になっていたのでは、と考えてしまう」

クルピが語った「香川真司育成論」が興味深かった

――以前、セレッソ大阪の監督として香川真司(現セレッソ大阪)、南野拓実(現モナコ)らを育てたレヴィー・クルピにインタビューしたことがあります。彼は2007年、当時18歳になったばかりでボランチの控えだった香川を攻撃的MFのレギュラーに抜擢した。そのような決断を下した理由を尋ねたところ、「シンジの優れた技術、豊富なアイディア、そして的確な状況判断能力を見たら、チームの攻撃の主力が務まることはすぐにわかった」と事もなげでした。

「ブラジルでは、ビッグクラブであっても10代の選手をレギュラーに抜擢するのは全く珍しくない。何しろ、1956年に15歳の少年ペレがサントスからデビューし、1958年のワールドカップ(W杯)で17歳の彼を擁するセレソンが優勝した国だからね」

――クルピに話を聞いていてさらに驚いたのは、「セレッソ大阪の関係者から、香川はその前年に入団していたのに一度もピッチに立たなかった、聞いて愕然とした。彼なら、もう1年早くデビューしてしかるべきだった」と主張していたこと。「もし17歳でデビューしていたら、シンジはもっと速く成長し、さらに偉大な選手になっていたはずだ」と言うわけです。クルピは、「日本の指導者は若手の起用に極めて臆病なんだ。理解できない」と嘆いていました。

【次ページ】 勝つことと若手育成は両立できる

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