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大会後には「衝撃の発表」が…全国高校駅伝で“史上最速レース”三つ巴の激闘を制した最強ランナーの胸の内「世代No.1は自分という走りができた」 

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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posted2025/12/24 17:02

大会後には「衝撃の発表」が…全国高校駅伝で“史上最速レース”三つ巴の激闘を制した最強ランナーの胸の内「世代No.1は自分という走りができた」<Number Web> photograph by Satoshi Wada

都大路の1区で区間賞を獲得した福島・学法石川の増子陽太。西脇工・新妻遼己、鳥取城北・本田桜二郎との三つ巴の激闘を制した

 ここで増子が単独で先頭を引っ張る。快調にペースを刻むと、6.5km付近で「上りが弱い」と自認する本田が離れ始めた。

 増子は当然、新妻と本田を意識していた。だが、実は警戒していたのは本田のほうだった。

「新妻君は自分と走りのタイプが似ているので、多少きつくなっても融通が効くと思っていました。でも、桜二郎君にはラストは絶対に勝てないので」

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 その本田を早い段階で突き放せたのは、増子にとって大きかった。そして、約7.4km。1区の最高点を迎えたところで勝負は決する。

「ペースが落ちたタイミングで自分は行こうと思っていました。上り坂では、たぶん自分が一番余裕があったのでしっかり勝負を仕掛けました」

 勝負所をこう振り返ったのは増子だ。最高点まで上り切って、後ろの新妻をチラッと見やると突き放しにかかった。

「下りが始まってから1回休んでスパートしようと思っていたんですけど、休んだところで思いっ切り行かれたので、予想外というか、付いていけませんでした」

 新妻もそこまではなんとか粘っていたが、下りに入ってペースアップした増子に付いていくことができなかった。7kmまでは1km2分55秒前後のペースで推移していたが、7kmから8kmはなんと2分40秒まで上がっていた。

日本人最速記録を20秒以上更新…驚異の好走

 独走になってからも増子の勢いは最後まで衰えず。前回、鈴木が打ち立てた日本人最高タイム(28分43秒)を一気に23秒も更新し、28分20秒という途轍もないタイムを叩き出した。

 実は増子は10月の福島県高校駅伝でも1区10kmを今回と同じ28分20秒で走っている。

「県大会でも同じタイムを出していたので、ハイペースにもびびらず、心に余裕がありました」

 増子はこう振り返る。11月16日のNITTAIDAI Challenge Gamesにて、5000mで高校歴代3位の13分27秒26をマークした際に、全国高校駅伝での目標を聞いた時にもこんなことを話していた。

【次ページ】 レース後には「衝撃の発表」も…?

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