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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「正直、ヤクルトはそこまで評価していなかった」恩師が振り返る“現役引退”ある首位打者のドラフト狂騒曲「今となれば良かったと心から…」
text by

沢井史Fumi Sawai
photograph byJIJI PRESS
posted2025/12/09 11:01
今季限りでの現役引退を発表した川端慎吾。ヤクルト一筋20年のレジェンドだが、ドラフト当時の評価はそれほどでもなかったという
「だって20年間もプレーさせてもらえましたからね。そのうち5、6年もレギュラーで試合に出させてもらえた。私としてもこれほど嬉しいことはないです」
20年。言葉にすれば容易く聞こえるかもしれないが、その年月を1球団に捧げ、終えることができたのはどれだけ尊いことなのか想像できる。だが、そのうち100試合以上出場したシーズンは5シーズンだった。指揮官がかねてから懸念していたことがある。
「やっぱりケガですかね。高校の時から、とにかく下半身を柔らかく使いなさいということは常々言っていました。本人も相当そこは意識をしてきたと思いますし、3年生になって結果的にプロ側から評価してもらえる選手になったとはいえ、プロに行ってからもそこはずっと心配していました」
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8年目の初めには左足首関節の手術、その他にも下半身中心に違和感等を抱えながらのシーズンもあった。そんな状況で現役選手として晩年を迎え、「あと2年」をどう乗り切るか。ベテランとなり、今後を見据えた川端の苦悩が今秋の決断に至ったのだろう。
年末は川端家との食事が恒例行事
真鍋氏は毎年、川端家と共に食事をすることが年末の恒例行事となっている。
「彼のお気に入りのお店が大阪にあってね。そこを予約して慎吾のご両親と(元プロ野球選手の)妹の友紀さんとご家族でいつも来られるんです。
でも野球の話はほとんどしないんですよ。あいつは数字の世界の中で生きてきているから、成績を残せばおめでとうとはなりますけれど褒めることもけなす話もしない。和気あいあいというか、いつもなごやかな時間になります」

