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「正直、ヤクルトはそこまで評価していなかった」恩師が振り返る“現役引退”ある首位打者のドラフト狂騒曲「今となれば良かったと心から…」 

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沢井史

沢井史Fumi Sawai

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posted2025/12/09 11:01

「正直、ヤクルトはそこまで評価していなかった」恩師が振り返る“現役引退”ある首位打者のドラフト狂騒曲「今となれば良かったと心から…」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

今季限りでの現役引退を発表した川端慎吾。ヤクルト一筋20年のレジェンドだが、ドラフト当時の評価はそれほどでもなかったという

 それから走攻守三拍子揃った遊撃手として、NPBスカウトの中で株が急上昇した。

 3年夏の甲子園には出場できなかったが、直後の秋に行われた第6回AAAアジア野球選手権の高校日本代表にも選出され、打率.462を残しベストナインにも選出されている。

ドラフト「1巡目で指名する」という話もあったが…?

 センバツで放った本塁打を含め、高校通算本塁打は33本。将来性も買われ、ドラフト会議直前になると各球団の“川端詣で”が激しくなった。そんな中、真鍋が「ドラフト会議は当日になると何が起こるか分からない」と痛感した出来事があったという。

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「あの頃は色んな球団の方が練習を見に来られる中で、ある球団から“川端君を1巡目で指名する”という話があったんですよ。そう言っていただくと、期待してしまいますよね」

 だが、その球団から川端慎吾の名前が呼ばれることはなかった。

 当時のドラフト会議は高校生と大学・社会人とでドラフトを分けて行われていた。川端はいわゆる”高校生ドラフト“対象。高校生のみが指名される中、1巡目の選手名がどんどん挙げられていく。当時、真鍋氏はその状況を校長室隣の控室で川端本人と見守っていたが、1巡目に川端の名前がなかったことを受け止め、川端に思わずこう声を掛けた。

「“俺と一緒に八十八カ所巡り行こうか”って、言ったんですよね。そうしたら“そうですね”って慎吾が笑って」

 1巡目かもしれない……。そんな淡い期待が打ち砕かれ、何とも言えない喪失感にさいなまれたが、川端慎吾を指名したのはヤクルト(3巡目)だった。「正直、ヤクルトさんは事前にそこまで慎吾のことを評価していなかったような記憶があります」と真鍋氏は振り返る。だが、今となれば「ヤクルトで良かった」と心から思っているという。

【次ページ】 年末は川端家との食事が恒例行事

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#東京ヤクルトスワローズ
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