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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「ありがとう、ハポン!」U-17W杯日本とメキシコ“超仲良し動画”が話題だが…「我々は世界有数の親日国」「評判がいい」メキシコ記者らが語る背景
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沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byMohamed Farag-FIFA/Getty Images
posted2025/11/23 17:02
U-17W杯でベスト8入りした若き日本代表は、メキシコ代表との交流が話題になった
「君たちを誇りに思う。今後のキャリアの幸運を祈る。ビバ、メヒコ、ビバ、ハポン!」
日本の主将である村松がスペイン語で挨拶すると、メキシコ選手から大きな歓声が上がり、盛んな拍手が送られた。「一期一会」と書かれた色紙を手渡せば、メキシコからは工芸品「アレブリーヘ」が贈られた。両国の選手たちは肩を組み、笑顔で記念写真に収まった。
一連の交流を報じたメキシコの有力紙「レフォルマ」のエドガール・コントレラス記者は、このように語っている。
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「我々メキシコ人は、日本と日本人に敬意を抱いている。日本選手がメキシコ選手を励まし、お互いの勝利を祝ったことは、我々にとって本当に嬉しく、また誇らしいことだった」
また、ブラジルメディアきっての日本通であるチアゴ・ボンテンポ記者もこうコメントしている。
「両国の若い選手たちにとって、生涯忘れられない思い出となったに違いない。今後、彼らがキャリアを積み重ねていく上で、強いモチベーションにもなるのではないか」
FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長も、自身のSNSで「日本とメキシコの選手たちがお互いを支え合う姿は、実に美しい。これこそが、フットボールの精神だ!(拍手の絵文字)」と賞賛した。
しかしなぜ、メキシコは親日的なの?
それにしても、どうして2026年W杯開催地の1つであるメキシコ人たちは、これほど親日的なのか――。
多くの日本人にとっては、謎かもしれない。筆者は長年、メキシコに住んでいる学生時代の友人に聞いてみた。彼の説明は、以下のようなものだった。
〈19世紀末、メキシコへ最初の日本人移民が渡った。言葉、メンタリティー、習慣などの違いに戸惑いながらも真面目に働き、誠実さと正直さを発揮して現地社会に溶け込んだ。
一方、自動車、家電などの日本製品は高品質で価格もリーズナブルであると極めて評判がいい。また、過去にメキシコと日本は戦火をまじえたことがなく、深刻な問題も存在しない。これらのことが相まって、メキシコは世界有数の親日国となっている〉
この説明は、長年、ブラジルに住む筆者にとってすんなり腹に落ちた。なぜなら、ブラジルも世界で指折りの親日国なのだが、その理由はメキシコとほぼ瓜二つだからだ。
このような背景があって、両国の選手たちはこれほどまでに仲良くなったのである。
メキシコとの友情から一転、北朝鮮戦は…
一方、18日に行なわれたラウンド16の日本対北朝鮮の試合では、日本選手とメキシコ選手が育んだ麗しい友情とは真逆のことが起きた。〈つづきは下の【関連記事】へ〉

