「先発時代、試合中にセルフ投げ込み」ソフトバンクCS突破の立役者“新・守護神”杉山一樹の豪快すぎ素顔「監督、杉山が宇宙と交信しています」 

「開幕からどうなるかと思ったんだけど、今、接戦でもものにできるようになったからね。そういう点では、選手たちがいろいろ、慣れてきたでしょ。中堅クラスが試合経験を積んで力を発揮できるようになった。そういう意味じゃ、今年のシーズンスタートのときと今じゃ、戦力的にだいぶ変わっているね」

　球団会長の王貞治も、その“補完戦力”の台頭を、今季の躍進の要因に挙げた。

分厚い選手層が支えるチーム力

　開幕は2軍で迎えながら、最高出塁率のタイトルを獲得した柳町達をはじめ、今宮の後釜に座り、いまや遊撃だけでなく、三塁も二塁も守り、ルーキーイヤー以来、3年ぶりに2桁本塁打を放った野村勇は、開幕の1軍ベンチにも入っていない。それでも、勝つ。柳田がいなくても、近藤がいなくても、それこそ飛車角抜きで、チーム力を維持できる。オスナの代わりに杉山が出てきたように、次から次へと戦力が供給される。120人の陣容で、4軍制を維持するソフトバンクの、それが組織の分厚さである。

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「選手層が厚いということは、選手にとっては辛いわけだよね。だから、そこを乗り越えて出てきた選手たちは、これから十分、戦力になると思うね。球団の意図したところがやっぱり、効果が出てきているということはあるよね」

　王が、満足げに評価した。昨季は開幕から独走。今季は新たな戦力整備で、巻き返しての大まくりV。その年の状況に応じて、その陣容なりの戦いを繰り広げ、ソフトバンクは連覇を果たし、苦しんだ今CSも勝ち抜き、2年連続での日本シリーズ進出も決めた。

「連投は、全部いける」

頼れる背番号「40」は日本シリーズでもフル回転するつもりだ　©Hideki Sugiyama

　杉山一樹も、その立役者の一人なのだ。

「CSから、ずっと連投は『全部いける』という話をしてたので。まあ、チームがたくさん点を取ってくれたら」

　そう笑わせながら、頂上決戦でのフル回転を宣言した。昨季逃した日本一をつかむ、最後のマウンドには、心身ともにタフな背番号「40」がいる。

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