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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「タフさ、強さ、高さ、巧さ」でブラジル制圧の新星・鈴木淳之介に久保建英も驚嘆…超攻撃的守備“戦術カタール”遂行でメンバー入り猛アピール
text by

佐藤景Kei Sato
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/10/17 18:06
ブラジル戦、ルイス・エンリケとマッチアップする鈴木淳之介。1対1の勝負にことごとく勝っていった
ビルドアップでも非凡なスキルを見せた
鈴木淳の武器は、ボールを刈り取る力だけではない。ビルドアップのスキルでも、チームが求めるDF像にマッチする。左右両足を使えることに加え、密集するピッチ上で瞬時に仲間を見つけ、ボールを届けるスキルも兼ね備える。例えば14分のシーン。自陣深い位置からルイス・エンリケのプレッシャーをかいくぐるように、左シャドーの南野が下がってきたタイミングでグラウンダーのパスを通した。
25分の場面はさらにその能力の高さがはっきりと確認できるプレーだった。自陣左寄りの位置で鎌田から横パスを受けた時点では、鈴木淳の目の前にブラジルの選手が2人、その奥にも2人いて、正方形の配置でコースを阻まれる状態だった。その正方形の中に南野が降りてくるのだが、鈴木淳の選択は違った。もう1列遠い位置にいた上田綺世に右足でグラウンダーのパスを送ったのだ。上田が収めきれず、チャンスとはならなかったが、このパス一本で相手4人を置き去りにした。
身長以上の強さがある空中戦
これだけでも十分、万能DFと言えるのだが、加えて鈴木淳には空中戦という特徴もある。身長は180cmでセンターバックとしてはそれほど高くないものの、ジャンプ力があり、競り負けることは少ない。ブラジル戦では空中戦がほとんど見られなかったが、パラグアイ戦では滞空時間の長いジャンプの間に、鈴木淳のヒザが相手の後頭部に当たるという珍しい場面が話題になった。
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かつてイバン・コルドバ(コロンビア)やファビオ・カンナバーロ(イタリア)など、180cmに満たない身長ながら空中戦で絶対の強さを見せたセンターバックが世界にはいた。鈴木淳は大型化する現代のCBの中で、そんな先人たちと同じ系譜にある選手と言えるかもしれない。圧倒的な跳躍力には目を見張るものがあり、今後はセットプレーでも日本の武器になるはずだ。

