「プロでも箸にも棒にも…ってことはないでしょう」プロ志望の東大“サブマリン”エースに元スカウトのリアル評は？「ちょっと心配なのは…」 

　鈴木スカウトが発掘した最初の「傑作アンダーハンド」仁科時成投手がちょうどコーチに就任するタイミングと合致したのも、鈴木スカウトが「渡辺俊介」を強く推す理由にもなっていた。

「ところで、向輝君ですが、変化球はどんなボールを持っているんですか？右バッターの懐を突けるようなシュートなんか、あるんですか？」

　この秋のリーグ戦で「シュート」は確認済みである。

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　その他……といえば、スライダーにシンカーだろうか。いずれにしても、ボール自体の動きは、まだ控え目な変化にとどまっている。

ロッテで球界屈指のサブマリンとして活躍した父・俊介さん。フォームは似てる？　©︎BUNGEISHUNJU

スカウトの言葉「アンダーハンドは打ちにくい」

　現状、120キロ前後でも打者のスイングを差し込めるホップ成分十分な「速球」が投球の半分以上を占め、頼みの綱にもなっている模様である。

「（東京）六大学でもそこそこ投げているんでしょ？　それだけのアンダーハンドなら、プロに入って、箸にも棒にも……ってことはないでしょうね。短い中継ぎとか働き場はあるんじゃないですか。それぐらい、アンダーハンドっていうのは、打ちにくいもんですよ」

　ならば、どう打ちにくいのか？

「まず、高低がわからないらしいですよ。私の時も、それでずいぶん打ち損じてくれて、助かったもんですよ。特にまっすぐがホップして見えるでしょ。ボールの下をこすったような内野フライとかね、多かったですよ。あとはね、横の変化が実際よりずっと大きく見えるんですね、バッターの目には」

　なるほど。ならば、そろそろ結論を。東京大のアンダーハンド・渡辺向輝投手は、果たしてプロで通用するのか？

「はっきりしたことは言えませんけどね、私もスカウト40年やってきましたから、ある程度イメージは作れるんですよ……その範囲でよければ」

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