「一度だけ、僕の一言に比嘉公也がキレて…」沖縄尚学高監督の知られざる大学時代…プロになった先輩の感謝「“あのこと”がなければ今の僕はない」

「こうやってインタビューしてもらえる機会があったから、いろいろと思い出すことができました。本当にありがとうございます。“あのこと”がなかったら、今の僕はないですから」

　NPB時代は攻走守の三拍子そろったバイプレーヤーとして知られ、現在はクリケットで活躍する45歳の木村昇吾はそう言って頭を下げた。

木村昇吾　©Shiro Miyake

　企画の主旨は、夏の甲子園で優勝した沖縄尚学高校の比嘉公也監督との思い出を語ってもらうこと。木村は愛知学院大学時代、比嘉の一つ上の先輩であり、卒業してプロ入りしてからもずっと交流が続く。今回の大会前には「頑張ってな！」、大会後には「優勝おめでとう！」のLINEを送り、比嘉からも感謝の返答が届いている。

鳴り物入りでやってきた新入生

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「もう20年以上も前になるんですね」

　イチローがメジャーに渡ることになる2000年、愛知の強豪大学に鳴り物入りの新入生がやってきた。前年のセンバツで沖縄尚学のエースとして沖縄県勢初の全国制覇に大きく貢献したスター選手が入部するというのだ。

　大阪出身の木村は尽誠学園で甲子園出場を果たしてプロ入りを目指したものの、声が掛からずに社会人野球と迷った末に愛知学院大に進学。1年時からショートでレギュラーを張り、愛知で注目を集めていた。そんな木村も「どんなヤツなのか」と興味津々だったという。

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