「今はドングリの背比べだけど」若き名将・徳本一善監督は予選会最高20位の芝浦工大で箱根駅伝を目指す「青学大レギュラー級を2、3人作れれば」 

「夏合宿では、この3カ月で見つけた自分に足りないものを磨き、自分の殻を破り、120％を100%にしていくイメージです。これは怪我なく継続して、はじめて可能になるんです。それを認識してもらう。派手にやったり、レベルの高い練習を一瞬だけやるのは、自分たちにとってはムダな努力で終わってしまう確率が高い。僕は、基礎の部分の地味な作業を続けるのが正義だと思っているので」

“真夏の地獄”の成果は

　チームは、17名の選手とともに夏合宿に入った。10月の箱根駅伝予選会に向けて、徳本監督が「かなり重要」と位置づけている“真夏の地獄”だ。

「一部の選手は『かなり楽しみ』という話をしていたんですよ。まぁ楽しんでくれるのはいいけど、とてつもなく厳しい環境だし、たぶん口数も少なくなると思うけど、覚悟しとけよって感じですね。厳しい夏を経験して、初めて箱根駅伝というのを意識できると思うんです。

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　箱根を目指していると言っていたけど、これまでの練習では違うことに気づき、その難しさや、チームとして戦うこと、チームとはどういうものかを学んでいくと思います。夏の終わり、どうにか選手が生き残っていたら、ワンチャンスひっかけられて15番以内に一気にいくかもしれない」

　9月末、選手の目の色だけではなく、体つきや闘志もきっと変わっているはずだ。そうして個々の力が向上し、箱根を狙う雰囲気作りが整えば、「やるな、芝浦工大」と周囲を驚かせ、目標達成も視界に入ってくるはずだ。

〈全3回の3回目／はじめから読む〉

#1から読む

「お前ら、どんだけだらしない生活してたんだよ！」箱根駅伝未経験の理系大学に“出場請負監督”がやってきた！ 学生は「箱根？ 本気で？」

#3

「今はドングリの背比べだけど」若き名将・徳本一善監督は予選会最高20位の芝浦工大で箱根駅伝を目指す「青学大レギュラー級を2、3人作れれば」

#2

「勉強、故障と理由をつけて休もうとする」芝浦工大チームを箱根駅伝に導けるか!? 徳本一善新監督の挑戦「改善できない選手にはやめろ、と言います」

#1

「お前ら、どんだけだらしない生活してたんだよ！」箱根駅伝未経験の理系大学に“出場請負監督”がやってきた！ 学生は「箱根？ 本気で？」