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[証言構成]松井秀喜「そして若き怪物は目覚めた」
posted2025/09/15 09:00
text by

鷲田康Yasushi Washida
photograph by
JIJI PRESS
これは松井秀喜が、プロ2年目の“若造”だった頃の話である。
1994年4月9日。'92年のドラフトで星稜高校から巨人に入った松井は、この日、プロ2年目のシーズンをスタートした。
プロ1年目のシーズンは2度のファーム落ちを経験したが、最終的には打率2割2分3厘ながら、57試合で11本塁打をマーク。高卒1年目としては非凡な長打力を印象付けて2年目の開幕を迎えていた。
開幕は広島2連戦。巨人監督の長嶋茂雄は松井を「3番」に抜擢し、その抜擢に応えて松井はいきなり2本塁打を放った。
1本目は初回だ。
マウンドは抜群の制球力から「精密機械」の異名を誇った北別府学。その立ち上がりに1番のダン・グラッデン、2番の川相昌弘の連打で1点を先制して、なお無死二塁で松井は第1打席に入った。
4球目。北別府の甘く入ったカーブをとらえた打球は、東京ドームの右翼席中段に消えていった。そして4回には2番手右腕・紀藤真琴から、今度は逆方向の左翼席に2号2ランを叩き込んだのである。
「初めて松井を見た印象は、とにかく身体がでかい。顔もゴツくて、耳たぶなんかこんなデカいんか、と。これがゴジラか、とね。ただ僕はまだあの頃の松井には、打者としてあまり怖いという感じはなかった」
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