「成長した姿を先生に見せたくて…」高校駅伝で話題の“集団転校”問題…“唯一残った3年生”はなぜ残留を選んだ？ 全国の舞台で記者が見た「仲間との絆」 

　本来であれば、本田は1500mと5000mの2種目で優勝候補に挙がっていたはずだった。インターハイに出られない“仲間”の思いをも背負って、佐々木は全国の舞台に立っていた。

今季の高校長距離界でトップクラスの実績を持つ本田。今夏のインターハイは高体連の規定で出場できず　©Satoshi Wada

　今季の大牟田高駅伝部は全部員で8人。集団転校があったことで佐々木が唯一の3年生となり、その他の7人は全員がこの4月に入学した新1年生だ。

「自分が一から教えるような形ではあったんですけど、人数が少ないので指示もしやすい。1年生はすごくいい子たちで、教えたこともすぐ覚えてくれます」

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　最上級生の佐々木は主将としてチームを牽引。新たなチームメイトともうまくやっている。

主将として…秋以降は駅伝にも参戦

　秋以降は、新たに就任した磯松大輔監督のもとで駅伝に向かっていく。

「（磯松監督は）コミュニケーションを大事にされる方なので、意見を出し合って、すごくやりやすい練習環境作りをしてくださっています」

　こう話すように、新監督との関係も良好のようだ。

　佐々木自身、もともとは長距離ランナーとして大牟田高に入学した。秋からは下級生と駅伝のメンバーを争うことになる。

「自分は走りは全然ダメダメなので、少しでも走れるように練習をしていきたいと思います」

　遠くの仲間に負けじと、佐々木の奮闘はこれからも続く。