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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「成長した姿を先生に見せたくて…」高校駅伝で話題の“集団転校”問題…“唯一残った3年生”はなぜ残留を選んだ? 全国の舞台で記者が見た「仲間との絆」
text by

和田悟志Satoshi Wada
photograph bySatoshi Wada
posted2025/08/28 06:04
駅伝部員による集団転校が話題となった福岡・大牟田高。たった一人、残留を決めた3年生部員がインターハイで感じた想いとは?
チャンスをつかんで全国大会に出場するまでに力を付けた競歩は、大学でも続けるつもりだ。
また、頼もしい応援団も佐々木の背中を押した。
スタンドには今春新たに入学した大牟田高の後輩たちの他に、鳥取城北高に転校した元チームメイトたちの姿もあった。彼らは合宿明けでオフ期間だったのにもかかわらず、佐々木を応援するために、インターハイの開催地・広島を訪れていたのだ。
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「スタート前に、招集所に行く時から声をかけてくれて。その期待に応えたいなという気持ちが大きかったです」
元チームメイトたちの応援は大きな力になった。
彼らが転校した後も頻繁に連絡をとっていて、誕生日などにはメッセージを贈り合っているという。
「こうして違う道を選んでも、応援に来てくれましたし、みんなが鳥取に出発する時にも『チームメイトであることは変わらないよ』と先生が言ってくれました。離れてはいるんですけど、近況を報告し合うなど変わらず“チーム”でやれていたのかなって思います」
決断は違えど…変わらぬ仲間の存在
“元チームメイト”と書いたが、佐々木にとっては今も仲間であることに変わりはない。
また、エースの本田桜二郎ら鳥取城北高に移ったチームメイトの活躍は当然、佐々木にとって大きな刺激になっていた。
「ネットを開くと、たびたびニュースに桜二郎の記事が上がっているから、毎回“すごいなあ”と思いながら読んでいました。でも、桜二郎はインターハイに(高体連の規定で)出られない。その分“自分が頑張らないとな”という気持ちになりました」

