ピンチ、焦りのちプロ初勝利に「長かった…」DeNA “背番号18”を背負う男・小園健太の一番長い日「これでもう『初勝利！』と言わなくていいんだ」

　1番の上林誠知に対してツーシームを2球つづけて二ゴロで1アウトを取ると、つづく田中幹也には外角のストレートをゾーンに通して中飛で順調に2アウトを奪った。出だしとしてはまずまずの状態に見えた。

「投げたいところに投げられていたかなと思います」と、小園も手応えを感じていたが、つづく岡林勇希をフォアボールで出すと、さらに細川成也にヒットを許し、ランナー一、二塁のピンチとなる。そして迎えるは好調のジェイソン・ボスラーだった。

失投で一発を浴びる

　カウント1-1からの3球目、この日、初めて投じたスプリットチェンジが真ん中に入るとボスラーは強振。ボールは高々と舞い、ライトスタンドに吸い込まれた。失投だった。

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　いきなりの3失点。ハマスタのファンからは大きなため息が漏れた。

　ここで気になったのは小園のメンタルだ。昨年のデビュー戦では守備のミスからリクエストが入り、ゲームの流れが止まった瞬間に集中力が切れ、小園はリズムを崩した。いきなりの失点より動揺するのではないかと思えたが、ここは踏み止まることができた。

「とにかく次のバッター（板山祐太郎）に集中をして、結果的に1球で仕留められて、ベンチに帰って切り替えることができました」

　同じ轍を踏むわけにはいかない。

今季一軍初マウンドを登板翌日に振り返る小園　©NumberWeb

坂本裕哉から学んだ武器だったが…

　さてボスラーに被弾したスプリットチェンジだが、そのボールを得意とする同僚の坂本裕哉から握りを教えてもらい、自身のスプリットにアレンジして今季は武器にしている。そしてツーシームは、その握りをさらに浅くして投じているという。

「ボスラーに対してはミーティングでも攻め方を伝えられていたのですが、自分が決めきらなかった。ブルペンから（スプリット）チェンジアップはちょっとぼやけているところがあったので、ホームランを打たれた後、（松尾）汐恩と話して、ツーシームの方が腕がしっかりと振れているからそっちを使っていこうということになりました」

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