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濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「白川はおっぱい揺らしとけばいい」人気女子レスラーが味わった悔しさ…スターダムから米国に渡った白川未奈の告白「楽しいと思ったことはほとんどなかった」
text by

橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byShiro Miyake
posted2025/06/30 17:00
スターダムからアメリカAEWに移籍した女子プロレスラーの白川未奈
白いベルトという大きな結果に関しても「思いっきり割り込んでいった」からだと考えていた。
「スターダムには人気のある選手も実力のある選手もたくさんいて、その中で私はファンの後押しをもらって、何とかベルトを巻くことができた。会社が期待してる選手は別にいるんだろうなという感じもしてましたけどね。そこは(社長が交代した)今のスターダムとは雰囲気が違いました」
「会社はもう、私はいらないかな…」
白いベルトは2度目の防衛戦で落とすことになった。当時“赤いベルト”ワールド・オブ・スターダム王者だった中野たむとのWタイトルマッチに敗れたのだ。このままたむが2冠王として君臨するのかと思いきや、すぐにMIRAIが白いベルトを奪取。タイトル戦線は“リセット”される。
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「下道を爆走して高速道路の人生を抜いてやれっていうのが私の生き方なので」
そう言ってきた白川だが、爆走にも限界が来たのかもしれなかった。
「ずっと目標にしてきた白いベルトを巻いたと思ったら1カ月で落として。私はここまでなのかなと思った。会社はもう、私はいらないかなとか、考えちゃうんですよ」
ここから先、何をやるべきか。自分は何をやりたいのか。やはり戻るのはスタート地点、海外での闘いだった。
「白いベルトを落として、2023年の下半期ですね。“海外でやりたいです。それができないなら引退を考えるしかなくなってしまう”と」
めぐってきた“新たな転機”
道が開けたのは昨年春から。前年12月に就任した岡田太郎社長は、AEWをはじめアメリカの団体との交流を深めていく。白川は春から何度も遠征へ。AEW女子王座に昨年だけで2度チャレンジしている(対戦相手はトニー・ストームとマライア・メイ)。
イギリスではシングル王座を獲得し、今年1月の東京ドームではメルセデス・モネとタイトルマッチ。白川はあっという間にトップ戦線で闘うようになっていた。そうしてまた、転機がやってきた。アメリカ移住だ。《後編に続く》

