NumberWeb TopicsBACK NUMBER
「骨が飛び出てて…」敗者・西田凌佑が明かした“2つの誤算”…「めちゃくちゃ痛かったんで」中谷潤人のバッティング「棄権を決断した真相」
posted2025/06/21 17:00

中谷潤人の左が西田凌佑の右肩付近を襲う。この時点で西田は右肩を痛めていた
text by

NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Takuya Sugiyama
◆◆◆
「当たったのは感じました。めちゃくちゃ痛かったんで」
6月8日、WBC・IBF世界バンタム級王座統一戦で中谷潤人に敗れた西田凌佑は一夜明けの取材でこう語った。右目の腫れを隠すサングラス姿で、右腕を三角巾で吊るしながら。
ADVERTISEMENT
3ラウンド残り41秒。低い姿勢から浮き上がるように左アッパーを放った中谷の頭部が、西田の右目を直撃した。「バキッ」という衝撃音とともに、ガードを固めた西田の動きが一瞬止まる。この偶然のバッティングにより、西田の右目は徐々に腫れ上がっていった。
そして決断の瞬間が訪れる。6ラウンド終了後、西田陣営は棄権を選択。試合は中谷のTKO勝ちとなった。じつは西田は右肩の脱臼も抱えていた。「ちらっと見たときに骨が出てて、外れてるなっていうのはわかったんですけど、動かせんことないな、って」と振り返る。
痛みに耐えればパンチを打つことはできた。しかし、骨に異常はなくとも、肩関節を支える腱板が傷ついていた。試合後、病院に直行した際の発表は「右肩関節脱臼後の腱板損傷の疑い」。
右目は「7、8割は見えていなかった」
西田を指導する武市晃輔トレーナーはバッティングについて「運がなかったな」と振り返る。
「もうちょっと下とか、逆に上なら、戦い続けられていたと思うんですけど。ホンマにここ(眼球周辺)に当たって、3ラウンドが終わって帰ってきた瞬間に腫れてたんで」
右目の腫れはラウンドを重ねるごとに大きくなり、「7、8割は見えていなかった」という西田の死角から、中谷は容赦なく左フックを叩き込んだ。それでも西田は言い訳をしなかった。
「それもやっぱ、運やなと思うんですよ。全然、それがあったからとかは思わないですね」
六島ジムの枝川孝会長は「ボコボコにされて傷ついても意味がない」と棄権の判断を下す。右肩を負傷し、右目が塞がったままでは勝機はほぼなく、ダメージが深くなるだけだった。
西田はいつ、どのように肩を痛めたのか――。その真相と試合後の彼の本音については、本編でさらに詳しく描かれている。
◆
この文章の本編は、以下のリンクからお読みいただけます。

