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プロ野球新外国人を成績でズバリ査定「円安で大物バッター皆無」「出戻りバウアーは中4、5日…“3人全員当たり”のパ球団は?」 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2025/06/10 11:03

プロ野球新外国人を成績でズバリ査定「円安で大物バッター皆無」「出戻りバウアーは中4、5日…“3人全員当たり”のパ球団は?」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

日本球界復帰でタフネスぶりを見せているDeNAバウアーだが……ほかの新外国人選手はどうなっている?

〈日本ハム〉
孫易磊(救援)

6試0勝0敗1S4H
7回0球4振 率1.29
古林睿煬(先発)
5試2勝1敗0S0H
30回6球33振 率2.70

 2年目のフランミル・レイエスが中軸で活躍。日本ハムはMLBではなく台湾プロ野球(CPBL)の逸材2枚を獲得し、救援先発で活躍している。古林は左内腹斜筋損傷で前半戦絶望となったものの、プレミア12で日本を破って優勝したCPBLは、NPBにとっても注目すべき市場になりつつある。

〈西武〉
ウィンゲンター(救援)

22試0勝4敗0S14H
20.2回6球29振 率1.74
ラミレス(救援)
16試0勝0敗0S1H
15.2回7球17振 率1.15
ネビン(外野)
56試212打57安5本28点
2盗12球33振 率.269 OPS.704

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 ウィンゲンター、ラミレスともにクローザーの平良海馬につなぐ中継ぎとしていい働きをしている。ネビンは5本塁打。打線が弱い西武では中軸を打つことが多い。

打者は小粒、MLBであぶれた救援が日本で活躍

 このところMLBから来た打者が小粒になった印象が強い。日米の格差が小さくなったこともあるだろうが、それに加えて円安で大物を獲得するのが難しくなったこともあろう。

 その半面、結果を出す投手が増えている。MLBでは救援投手が増えすぎてあぶれている印象がある。こうした投手が、NPBで実績を挙げるようになっている。さらに一時期、多くいたキューバの選手はあまり見られなくなったが、台湾やチェコなど新市場からNPBに挑戦する選手が増えている。

助っ人でこの1週間活躍したのは誰?

《第11週》2025年6月3日から6月8日まで

 交流戦が始まった。第1週はセ21勝、パ14勝。4日にパが6勝0敗としたが、8日には逆にセが6勝0敗。珍しくセ・リーグが大差をつけている。

【チーム順位】
〈セ・リーグ〉
・通算

阪神58試35勝21敗2分率.625
DeNA56試30勝23敗3分率.566
広島55試28勝25敗2分率.528
巨人58試30勝27敗1分率.526
中日57試26勝29敗2分率.473
ヤクルト53試17勝34敗2分率.333
・第11週
阪神6試5勝1敗0分率.833
広島6試4勝2敗0分率.667
DeNA6試4勝2敗0分率.666
中日6試3勝3敗0分率.500
ヤクルト6試3勝3敗0分率.500
巨人5試2勝3敗0分率.400

 交流戦で大勝ちした阪神が2位DeNAに3.5差をつけた。中日はソフトバンクに3連敗の後、ロッテに3連勝した。

〈パ・リーグ〉
・通算

日本ハム57試31勝24敗2分率.564
オリックス55試27勝25敗3分率.519
ソフトバンク56試28勝26敗2分率.519
西武56試29勝27敗0分率.518
楽天56試25勝30敗1分率.455
ロッテ53試19勝34敗0分率.358
・第11週
ソフトバンク6試4勝2敗0分率.667
ロッテ5試2勝3敗0分率.400
オリックス6試2勝4敗0分率.333
西武6試2勝4敗0分率.333
日本ハム6試2勝4敗0分率.333
楽天6試2勝4敗0分率.333

 5球団がセに負け越す中、ソフトバンクだけが勝ち越し。オリックス、西武とゲーム差なしの3位と、上り調子だ。

【打撃成績】 ※打撃の総合指標であるRC(Runs Created)順
〈セ・リーグ〉
筒香嘉智(De)19打8安2本4点0盗 率.421 RC8.57
オスナ(ヤ)21打10安1本4点1盗 率.476 RC7.59
佐藤輝明(神)22打5安4本8点0盗 率.227 RC5.48
佐野恵太(De)23打7安2本3点0盗 率.304 RC4.90
森下翔太(神)21打6安2本8点0盗 率.286 RC4.83

〈パ・リーグ〉
柳町達(SB)24打14安0本7点0盗 率.583 RC8.55
周東佑京(SB)18打10安0本3点2盗 率.556 RC7.27
万波中正(日)21打8安2本3点0盗 率.381 RC5.92
野村勇(SB)22打7安3本7点1盗 率.318 RC5.49
浅村栄斗(楽)18打5安1本2点0盗 率.278 RC4.89

 セは長くファームにいたDeNA筒香が6月3日復帰後大当たり。本塁打は阪神、佐藤輝明が4本、打点も8で森下と並び1位。ただし安打数は5本。盗塁は中日岡林勇希が3回成功。パはソフトバンク勢が活躍。3番に座る柳町と下位を打つ野村が最多の7打点。野村は本塁打も最多の3。盗塁はソフトバンク周東、オリックス廣岡大志、西武の西川愛也が2回成功した。

ハワードは巨人相手に好投を見せた

【投手成績】※リーグ平均防御率に準拠したPR(Pitching Run)順
〈セ・リーグ〉
森翔平(広)1登1勝9回 責0率0.00 PR2.63
才木浩人(神)1登1勝8回 責0率0.00 PR2.3
村上頌樹(神)1登8回 責0率0.00 PR2.34
戸郷翔征(巨)1登1勝7回 責0率0.00 PR2.05
ケイ(De)1登1勝7回 責0率0.00 PR2.05
ランバート(ヤ)1登7回 責0率0.00 PR2.05
松葉貴大(中)1登1勝7回 責0率0.00 PR2.05

〈パ・リーグ〉
隅田知一郎(西)1登8.2回 責0率0.00 PR3.10
前田純(SB)1登1勝8回 責0率0.00 PR2.86
モイネロ(SB)1登8回 責0率0.00 PR2.86
有原航平(SB)1登1勝7回 責0率0.00 PR2.50
大関友久(SB)1登1勝7回 責0率0.00 PR2.50
石川柊太(ロ)1登1勝7回 責0率0.00 PR2.50
ハワード(楽)1登1勝7回 責0率0.00 PR2.50
東晃平(オ)1登7回 責0率0.00 PR2.50

 セは広島・森が8日の西武戦でプロ入り初完封。救援ではヤクルト石山泰稚、中日松山晋也が2セーブ、巨人中川皓太、阪神・湯浅京己、ヤクルト星知弥、中日・清水達也、阪神・及川雅貴が2ホールドを上げた。

 パは西武の隅田が3日のヤクルト戦で8.2回まで零封するも勝ち星付かず。ソフトバンクのモイネロは6日のヤクルト戦でチーム記録の18奪三振も8回で降板。9回にクローザーのオスナが打たれて勝ち星付かず。救援は日本ハム田中正義が2セーブ、同じく玉井大翔とロッテ中森俊介、オリックスのペルドモが2ホールドをマークしている。

《記録》
 阪神の近本光司が7日のオリックス戦で323人目の1000本安打。1994年生まれの大谷翔平世代。同世代では、今年の5月25日に達成したオリックス西川龍馬についで2人目となった。

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