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「地獄だった」“日本代表キャプテン”久保建英がスペインで自己批判した日「タケは納得いかないと…でも上手くやっている」情報筋が明かす素顔
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ホルヘ・カストロ・ピコンJorge Castro Picon / Relevo
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/06/11 11:06

6月10日のインドネシア戦でキャプテンマークを巻いた久保建英。今季のプレーと来季去就について、現地情報筋はどう見ているか
「恥ずかしい試合をしてしまいました。ファンに申し訳が立たない。彼らは僕たちを讃えてくれているけど、僕らにそんな資格はありません。全体のムードを変えなければならない」
チームリーダーのひとりとしての自覚がそうさせたのかもしれないが、残念ながら、その言葉が好影響を及ぼすことはなかった。ソシエダはその後のリーグ戦17試合で、5勝3分9敗。最終順位は11位となり、来季は5シーズンぶりに欧州カップ戦に不参加となる。久保自身もリーグ後半戦は2得点に留まったが、うまくいかないチームをどうにか好転させようと努力していたことは、別の数字に表れている。シーズン通算のドリブル成功数はチーム最多の75、シュート数はチーム最多タイの43、クロス数はチーム2位の85だったように。
久保が「地獄だった」と厳しく批判した日
ヨーロッパリーグでは、リーグフェーズとプレーオフを勝ち上がり、ラウンド16まで駒を進めたものの、マンチェスター・ユナイテッドに屈した。ホームで1-1の後、敵地オールド・トラフォードで1-4の大敗を喫している。コパ・デル・レイでは準決勝まで勝ち上がり、レアル・マドリーと対戦。敵地での2戦目の後半追加タイムに追いついたが、延長戦の終盤に力尽きた。
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その約3週後のビジャレアルとのリーグ戦(2-2の引き分け)の後、久保は再び、チーム全体のレベルと姿勢を公に厳しく批判した。
「地獄だった。時々、試合後に自分たちは敗北にふさわしくなかったと言うことがありますが、今回は引き分けにさえ値しなかったと思う。もっと自分にボールが来れば、より多くのチャンスを作れたはず。相手の裏を突く動きを見せていたので。でもそうならなかったのは、チーム全体が受け身になりすぎていたからだと思います」
客観的な視点に立てば、久保自身がもっと多くの決定的な仕事をすべきだったと指摘されても仕方ないだろう。ラ・リーガでのシーズン総得点は、ソシエダでの初年度から、9、7、5と減少している。
とはいえ、ソシエダのサポーターは久保のことをチームでもっとも重要な選手のひとりと捉えている。それ自体に変わりはない。なかには、すべてを捧げてもいいと感じている熱狂的なファンもいる。
タケは納得いかないと…でも基本的には
久保は目立ちたがらず、積極的に表に出たがることもないが、入団以来、そのパフォーマンスと率直な人柄で、“クボ・マニア”と呼ばれるほど彼を追うファンを獲得している。久保は逃げも隠れもしない。パフォーマンスの内容が良くない時もあるが、そんな時もボールを欲しがって、違いを生み出そうとする。そうした姿に、クボ・マニアは感銘を受けているのだ。
多くのチームメイトも、久保を支持している。