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人気絶頂23歳で芸能界引退…プロ野球選手の妻になった元アイドル「主人の活躍にカープと広島市民の運命が…」中條かな子がプロポーズされるまで
text by

田中仰Aogu Tanaka
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/06/09 11:02

緒方かな子52歳がNumberWebのインタビューに応じた
緒方 事務所としては止めたかったようです。でも、主人が「事務所の方に挨拶にいくから」って。秋頃には社長に伝えました。主人、話すの苦手そうじゃないですか? でもそこはビシッと「かな子さんと本気で交際しています」「僕は結婚したいと考えています」と。それまでは、先に交際が噂で広まって、その勢いのまま結婚するというケースが多かったみたいで。だから挨拶の場で社長に言われました。「ご挨拶します、みたいな感じで来たのは君たちが初めてだ」。
――熱意と誠意が伝わったと。
緒方 こうも言ってました。「本当は止めるつもりだった。だけど、孝市さんの話を聞いて、そこまで真面目に考えているのなら了承するしかない」と。社長がそう話しながらハンカチで汗を拭っていた情景を今でもはっきり覚えてます。
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――かな子さんの中で迷いはなかったのですか。人気がある中で芸能界を離れるわけじゃないですか。
緒方 ……それほど未練はなかったですね。休みたかったのもあるんですが、それよりも芸能活動を応援してくれたおばあちゃん、お母さんに恩返しはできたかなって。実家が裕福なわけでもないし、わたしも体が弱かったのに一生懸命育ててくれたお母さんに恩返ししたいという思いが強かったんです。
23歳で電撃引退ウラ側
――新聞で読んだのですが、お母さまに家をプレゼントされたんですよね。
緒方 小さいマンションなんですけどね。結婚するときに主人にも伝えました。「お母さんにマンションを買ったらわたしの貯金なくなるけどいいかな?」って。そしたら主人は「別にいいよ。自分で頑張って稼いだお金なんだから」と。だから貯金はほとんどゼロの状態で結婚しました。
――激動の芸能界を6年も生き抜かれたあと、「プロ野球選手の妻」になるわけです。名前も「中條かな子」から「緒方かな子」に変わりました。大きな生活変化に対する不安はありませんでしたか。
緒方 交際中から主人はとにかく真面目だったので、生活が大変になるという心配はなかったかな。そんなにお酒も飲む人でもないですし。ただ、覚悟を決めた瞬間はたしかにありました。
「あなたの主人に広島市民はかかっている」
――覚悟を決めた瞬間?