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[生誕90年没後5年]野村克也「ID野球は令和でも通用する」
posted2025/06/05 09:01
text by

長谷川晶一Shoichi Hasegawa
photograph by
Tamon Matsuzono
「もし、今も野村監督が生きていらしたら、いろいろなことを相談して、僕の野球脳はもっと良くなっていたんじゃないかな……」
野村克也が天に召されて5年が過ぎた。今も存命であれば90歳になる。かつての師である野村の思い出を尋ねると、ヤクルト・高津臣吾監督はしみじみと言った。
「……現役のときには《監督と選手》という立場でいろいろ指導していただいたけど、今度は《監督と監督》という立場で、“こういうときはどうしていましたか?”とか、“こんなときには何を考えていたんですか?”と相談したかったな」
2020年、高津が監督に就任した年に野村が亡くなった。死の直前に監督就任の報告をしたのが、師との別れとなった。監督在任6年目となる。'21年に日本一、'22年にはリーグ連覇したものの、'23年、'24年と5位に沈み、今シーズンも故障者が続出する中で苦戦が続いている。
高津に尋ねたのは「今でもヤクルトには野村の教えは残っているのか?」という質問だった。'90年、ヤクルト監督就任時に野村が掲げた「ID(データ重視)野球」という革命は、令和の現在では多くの野球人が知る戦法となった。監督就任時、高津は「野村監督の教えを継承するのも私の役目です」と口にしている。野村の教え子たちが、各球団で指導者となっている今、その本流であるヤクルトには「野村の教え」が脈々と息づいているのだろうか?
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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