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プレミアリーグの時間BACK NUMBER
「リバプールにもっと貢献を」遠藤航がプレミア3年目へ“重要証言”「日本人みんなの誇り」鎌田大地も敬意…記者が見た“ワタの幸せな笑顔”
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山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byREUTERS/AFLO
posted2025/05/28 11:05

プレミアリーグのトロフィーを手に喜ぶ遠藤航。この直後に来季への思いを語ってくれた
リバプールのエースはこの日の同点ゴールで、直接的に絡んだ今季リーグ戦得点数を「47」に伸ばし、プレミア歴代最多記録に並んでいた。32歳の右ウインガーはリーグ戦29ゴール18アシストという数字を残したのだから、さすがだ。
もっとも、その背景には周囲のハードワーク増もある。言わずもがな、遠藤もその1人だった。
右SBで三笘と対決…ブライトン戦もそうだった
最終節前のブライトン戦、遠藤は2-2の77分に右SBとして投入された。相手はUEFAカンファレンス・リーグ出場権を目指し、逆転へと必死だった。ベンチにはトレント・アレクサンダー・アーノルドもいたのだが、彼は極めて攻撃的な右SBである。今季限りでの退団が決まっていなかったとしても、守備が控えめなサラーの背後への投入はなかっただろう。ピッチに入った遠藤は相手左ウインガーの三笘薫に苦戦を強いられ、チームも最終的には2-3で敗北を喫したとはいえ――遠藤がベンチにいたからこその交代策だったと言える。
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「もちろん、出場時間とかに関してはそんなに満足していないですけど、チームの一員としてタイトル獲得に貢献したというのは、そんなに簡単にできることではないですし、自分が(試合に)出られるチャンスがあれば、しっかり結果を残すことだけを意識していた」
そう語る遠藤は、いわゆるクローザーとしての今季の働きを次のように理解している。
「自分は失点をしてはいけないという、難しい状況でやらなければいけない。でも多分、このチームで自分だからこそ、その役割を任された。クローザーのようなプレーモデルみたいなものを、リバプールで確立できたことは素晴らしいことなのかなとは思う。あまり、そういうタイプの選手は多くはないとも思っているので、決して満足しているわけではないですけど、新たな形として、リバプールで結果を残すということは大事だと思う」
鎌田「日本人としてみんなが誇りに思える」
リバプールの“ワタ”に対する信頼は、最終節の相手にいた日本代表チームメイトも感じ取っていた。
昨夏に加入した鎌田大地は、自らも厳しいシーズンを送った。滑り出しで躓いたチームが結果を最優先し、ロングボールを多用するカウンター主体の戦い方を余儀なくされ、繋ぐスタイルで最も活きる自身は、ベンチスタートも多かった。
それでもマンチェスター・シティを下したFAカップ決勝や、敵地で今季優勝チームと対戦した最終節での先発フル出場が物語るように、最終的には移籍先で居場所を見つけた。そんなパレス1年目を過ごした鎌田の目に、リバプール2年目の遠藤は、どう映っていたのか?
アウェイチームの日本代表MFは、一足先にスタジアムを去る間際、こう答えてくれた。