大谷翔平の舞台裏:ドジャース異聞BACK NUMBER
大谷翔平と真美子夫人が「始球式を野球少年に譲っていた」過去も…ドジャース現地で見た、ボブルヘッドデーで家族が生み出す“ほっこりハプニング”
posted2025/05/24 11:00

デコピンを抱く大谷翔平と妻の真美子さん(2024年)
text by

斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph by
JIJI PRESS
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5月13日から続いたドジャースの本拠地9連戦で、試合のパフォーマンス以外にも、ほほ笑ましい場面があった。初戦はムーキー・ベッツ外野手(32)のボブルヘッド(首振り人形)が来場者に配布された。
ドジャースでは近年、ボブルヘッドデーの当該選手が、家族とともに始球式に参加するのが恒例となっている。13日はベッツの2歳の長男カイ君が始球式を担当。パパ・ベッツは捕手役としてホームベース上でミットを構えていた。ところが、カイ君はボールを持ったまま、右翼方向へ一目散に走って行った。夫人のブリアンナさんが、抱っこしてホームベース前に連れ戻すと、今度はボールを投げて無事成功。
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ほっこりハプニングに、大勢のファンから笑みがこぼれ、ベッツは「楽しかったよ。とても特別な瞬間。母や妻、娘もやったことがあったけど、彼は初めてだった。家でキャッチボールしたり、バットを振ったりもする。皆の前で投げるのを見られたのは僕にとってはスーパースペシャルだった」と振り返った。プレーで見せる勝負師の瞬間とは違い、柔らかな表情だった。
スミス長女の“ほっこり始球式”
連戦の締めは、ウィル・スミス捕手(30)のボブルヘッドデーで、この日は、長女シャーロットちゃんが、始球式を担当した。パパ・スミスと直前にボールを投げる練習を行い、本番が近づくと、名前のコールとともに「さぁ始球式だよ」と場内アナウンスが流れ、球場の大型スクリーンにもその様子が映し出された。至近距離から練習通りに投げると、ボールがコロコロ、捕手役を務めたスミスに届いた。無事に“ファミリー・イベント”を終えると、手を合わせてタッチ。夫人は昨年10月に生まれたばかりの次女を抱っこし、その様子を見守っていた。偶然、先発メンバーから外れていた同捕手は終始リラックスした表情で、家族を支えるパパの顔になっていた。
ファミリー始球式の試みは他球団でも開催されており、広報によるとドジャースでは6年ほど前から始まったという。スミスは今回の始球式について「妻と娘2人が来てくれて、本当に楽しかった。いい時間を過ごせたと思う」と話し、2人の娘の存在は「僕の全てだよ。本当にかわいい」と、穏やかな表情で振り返った。