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“伝説のプロレスラー”ハヤブサが令和に復活「正体は誰なのか?」“天才的だった”江崎英治の動きを再現「賛否はあると思うが…」元相棒が語った期待
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/05/13 17:00

令和に誕生したハヤブサ。その動きは江崎英治のハヤブサにそっくりだ。5月7日、富士通スタジアム川崎
“令和のハヤブサ”の正体は誰なのか?
デビューから4戦目、新しいハヤブサは川崎のリングで躍動していた。
ハヤブサは田中にフランケンシュタイナーからキックを放ち、新崎との懐かしい合体技フェイス・クラッシャーを見せた。
場外の佐々木にはあのトペ・コンヒーロを放った。
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ハヤブサはブレーンバスターやパワーボムを浴びたが、田中のスーパーフライは両ヒザで迎撃した。ムーンサルトプレスは田中にかわされても、ファイアーバード・スプラッシュやフェニックス・スプラッシュで舞った。的中はしなかったが、最後はHサンダー(三沢光晴のエメラルドフロウジョンの変形)で田中にフォール勝ちした。
ハヤブサの活躍はまだ、ZERO1(ゼロワン)の観客動員には直接結びついていないが、「ハヤブサ」という名前に注目は集まっている。
「ハヤブサの正体って、誰なの?」という声を多く耳にする。
メキシコ観光主催の「ルチャ・フェス」でデビューしたこともあり、当初はメキシコ人ルチャドールの変身説が有力だったが、日本語を話すということと、新崎の言葉に耳を傾ける姿や、その目を見たところ、その正体は日本人で間違いないだろう。若い感じがする。だが、それが既存のレスラーの変身なのか、ZERO1が「ハヤブサ計画」で秘密裏に養成した新人なのかは、未だベールに包まれている。
自在に空中殺法を操り、ハヤブサを実によくコピーしている。ハヤブサを名乗る以上、初代ハヤブサの動きをまねるのは当然だ。そのコピー度はかなり高い。物事の多くは模倣から始まる。
この日の対戦相手は田中将斗とマンモス佐々木で、江崎ハヤブサのストーリーを引き継ぐような顔合わせだった。佐々木が言う。
「おい、ハヤブサ、オレはハヤブサがリングに帰ってくるのを何年も何年も待っていたんや。おまえ、こんなもんじゃないだろう。安心しろ。本当の江崎もドジなとこあったからな。お前の本当の気持ち聞かしてくれや」
ハヤブサがマイクを手にした。
「お楽しみは、これからだ!」
ハヤブサの声が川崎のスタジアムに響いた。