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“伝説のプロレスラー”ハヤブサが令和に復活「正体は誰なのか?」“天才的だった”江崎英治の動きを再現「賛否はあると思うが…」元相棒が語った期待
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/05/13 17:00

令和に誕生したハヤブサ。その動きは江崎英治のハヤブサにそっくりだ。5月7日、富士通スタジアム川崎
コピーから次のステップへ「成長していく姿が楽しみ」
新崎が控え室で語った。ハヤブサは無言だが、隣でそれを聞いている。
「ハヤブサが亡くなった後でも、心のどこかでいつかという思いがあった。32年のレスラー人生の中で、ハヤブサはタッグパートナーとしては唯一の存在だった。江崎でない令和のハヤブサを両国で見たときは、感極まった。心の底からうれしく思いました。江崎もきっと喜んでくれていると思います。江崎ではないですけど、江崎と組んでいるような気持ちでリングに立っていました。わたしももう年なんで昔の様にはできませんが、二十数年前を思い出しています。相手もマンモスですし……」
ハヤブサを完璧にコピーするのは至難の業だろう。それだけ江崎が天才的だったからだ。でも新しいハヤブサは及第点のコピーをこなしている。
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「コピーとか簡単なもんじゃない。あの人を簡単にコピーできるやつなんか誰もいない。オリジナルなハヤブサをこれからどんどん作っていけばいい。否の部分を変えていくのは、彼の覚悟次第だと思うんで」と田中も期待を寄せる。
「足りない部分ももちろんあると思う。賛否はあると思うが、江崎は生前、新たなハヤブサが生まれてもいいという思いを持っていた。江崎英治のハヤブサではなく、二代目として成長していく姿が楽しみな選手だと感じた」(新崎)
『川崎伝説2025』を戦い終えた新しいハヤブサの物語は始まったばかりだが、コピーから次のステップに進んだ時、令和のハヤブサはもっと称賛されるだろう。ハヤブサはZERO1のリーグ戦『火祭り』にも出場するというから、そこでさらなる進化を見せてくれるはずだ。
「不死鳥」の物語は続く。

