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ボクシングPRESSBACK NUMBER
「えっ、井上尚弥が鼻血を…」じつは1ラウンドにあった“カルデナスの異変”「思っていたのと違うぞ」世界的カメラマンも動揺…現地で何が起きていた?
posted2025/05/10 11:29

試合前日の計量で顔を合わせた井上尚弥とラモン・カルデナス。この時点でカルデナスの善戦を予想する声は少なかった
text by

福田直樹Naoki Fukuda
photograph by
Naoki Fukuda
試合直前に感じた井上尚弥の“かすかな異変”
井上選手の再上陸でラスベガスがどんな雰囲気になるのか、試合が決まったときからとても楽しみにしていました。個人的なことで恐縮ですが、オフィシャルのビジュアルに自分が撮影した写真を使ってもらいまして……。「怪物」と大きな漢字が入った、井上選手のあの広告です。
日本の感覚だとちょっとシュールなデザインに感じられるかもしれません(笑)。でも、外国人から見るとあの漢字がクールなようです。僕が以前ラスベガスで仕事をしていたときも含めて、現地であんなに大きく日本人選手と日本語が掲示されているのは見たことがありません。MGMグランドの巨大モニターからカジノのブラックジャックのテーブルまで、至るところであのビジュアルを目にして、すごいことになっているなと実感しました。
ジムを訪れたファンにサインや写真をサービスしたり、ショーアップされた会見や計量にメインイベンターとして出席したりと、ラスベガスならではのイベントもあって井上選手は大変だったと思います。とはいえ、今回も体は完璧に仕上がっていました。リングマガジン王者のベルトを斜めにかけた計量時の写真を見てもらえばわかるのですが、いつもと同じか、それ以上の肉体美。日本での試合との違いは感じませんでしたね。
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ひとつ、井上選手のかすかな異変をあげるとすれば、リング登場時の体の動きがいつもよりやや大きかった、という点。力が入っていたのか、あるいは入れ込みすぎないようにしていたのか。ラスベガスでシンコ・デ・マヨの“大トリ”を飾るというシチュエーションですからね。東京ドームでのルイス・ネリ戦と同様に、「ねじ伏せるような圧倒的なKO勝利を」という思考になっていても不思議ではありません。