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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「コントロールに破綻がないし…」中日“3年連続最下位”の惨状を救う“救世主候補”たち…4球団競合黄金ルーキーには「ちょっと待った」
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byJIJI PRESS
posted2025/04/12 06:01

今季ソフトバンクから中日に移籍した三浦瑞樹。3年連続最下位に沈むチームの救世主になれるだろうか?
2019年の秋、当時、創志学園高(岡山)のエースだった西純矢投手(現・阪神)の取材で、その全力投球を同校グラウンドのブルペンで受けていた。
その時だ。「西もいいですけど、このピッチャーも将来性ありますよ」と時の長沢宏行監督がブルペンに呼んでくれたのが、準エースの草加勝投手だった。
高校時代の草加の印象は…?
西投手とは対照的な、折り目正しい端正なフォームからのきれいなバックスピンの「快速球」を、こちらのミットに「バシーン、バシーン!」ときめてくれた。
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色白の細おもて。歌舞伎役者のような印象だったが、「自分のために苦労してくれた母親のために」と、そこのところだけは、細い目がキリッと光った。
厳しさで有名な大学に進むと聞いて、「だいじょうぶかな……」とちょっと心配したこともあったが、なんのなんの、亜細亜大歴代でも指折りの「エースらしいエース」になったと聞いて嬉しかったのを覚えている。
その通り、リーグ戦のここ一番の試合には、志願してでもマウンドに上がり、4年の春のリーグ戦では6完投の大車輪。結局、そのへんからの「大奮投」の疲労が積もり積もってのトミー・ジョン手術だったのかもしれない。
大きな「数字」はなくても、ゲームメイク能力なら、ドラゴンズの大先輩・柳裕也投手(9年目・明治大)の投げっぷりがそのまま重なる。お手本にするにはうってつけの先発右腕が、すぐそこにいる。こんな「財産」はそうはない。