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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「コントロールに破綻がないし…」中日“3年連続最下位”の惨状を救う“救世主候補”たち…4球団競合黄金ルーキーには「ちょっと待った」
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byJIJI PRESS
posted2025/04/12 06:01

今季ソフトバンクから中日に移籍した三浦瑞樹。3年連続最下位に沈むチームの救世主になれるだろうか?
そんな昨シーズンのウエスタンが、15試合に投げて3勝3敗・防御率1.60はリーグ最優秀防御率、95イニング3分の2で73被安打59奪三振に、四球24は9イニングあたりわずか2個ほどの評判通りの制球力。間違いなく、高い「実戦力」を立証してみせていた。
ソフトバンク「育成契約」ではなく…中日へ
たまたま観戦していた昨年6月の、広島東洋カープとのウエスタン公式戦。
先発の6イニングを、8被安打5奪三振3四球で1失点。毎回走者を許して、決してピシャリと抑えたわけでもないのに1失点で踏みとどまれたのは、やはりその制球力のおかげだ。
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投げ合った広島のドラフト1位・常広羽也斗投手が、走者を出すと投球のゾーンが高くなって連打・失点を許していたのに対し、三浦投手の投球は走者が増えるたびにゾーンがどんどん低くなって、ジャストミートを許さなかった。
球団としては、「育成選手としての再契約に応じるだろう」と、それこそタカをくくっていたのかもしれない。だが、本人はホークスでの自己実現に見切りをつけ、より仕事場のありそうな「中日」を新天地に選んだ。
育成選手として入団した中日で、ウエスタンリーグの実戦で好投を続け、開幕まもなく、4月2日にまずは支配下登録を手にした三浦投手。
アベレージの球速は140キロ前半程度でも、変化球でファーストストライクがとれて、速球、スライダー、カーブに沈む系の変化球。球速差30キロほどの緩急とストライク、ボールの出し入れができて、大人しそうなマスクをしているが、内に秘めたキバはなかなかに鋭く、ピンチにも腹をくくって腕を振れるサウスポーだ。