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野球クロスロードBACK NUMBER
「中学校を回っても、学校に入れてもらえないことも…」センバツで話題沸騰 沖縄・エナジックスポーツ高“創部3年で甲子園出場”までの波乱万丈
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph byJIJI PRESS
posted2025/03/26 17:01

2回戦で智弁和歌山には敗れたものの、4安打2盗塁と大当たりだった1番・イーマン琉海を中心にノーサイン野球の威力を見せたエナジックスポーツ
「能力の高い子が県外に出てしまうなか、残った子たちがしっかり練習して力を伸ばしてくれているのはありますよね。沖縄で進路の選択肢が増えるのはいいことだとは思います」
エナジックスポーツの選手たちは、それこそ「地元に残る」という選択肢で甲子園という正解を体現した。
「沖縄の選手だけで甲子園を目指したい」
キャプテンの砂川誠吾が力を込めて言う。
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「自分も『沖縄の選手だけで甲子園を目指したい』と、スカウトされたとしても県外に行くつもりはなくて、この学校に入りました。沖縄は甲子園優勝から遠ざかっているので、そこを目指せるようなチームが増えていけばいいなって思っています」
興南の春夏連覇に熱狂した2010年から15年。エナジックスポーツという新興勢力が誕生した沖縄は今、変革期にあるのかもしれない。
神谷が同調するように結ぶ。
「沖縄の子たちが『県内だけでも戦える』と残ってくれれば嬉しいですよね。素直で、野球が好きで、一生懸命に頑張っていれば道は拓けるものですから」
69歳が甲子園で咲かせた新境地。
沖縄の高校野球に、再び青春が訪れようとしている。
