NumberPREMIER ExBACK NUMBER

バレーボール日本代表・荒木彩花はなぜ、ゴーグルをつけるのか?「自分の蒸気ですごく曇ります」プレーへの支障は…荒木絵里香が直撃! 

text by

NumberWeb編集部

NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web

PROFILE

posted2025/03/29 11:03

バレーボール日本代表・荒木彩花はなぜ、ゴーグルをつけるのか?「自分の蒸気ですごく曇ります」プレーへの支障は…荒木絵里香が直撃!<Number Web>

大好評シリーズ動画『Number Volleyball Night W』でバレーボール女子元日本代表の荒木絵里香とパリ五輪代表の荒木彩花の対談が実現

荒木(彩) アンダーカテゴリーに選出された時も、日の丸を背負うレベルではないとずっと思っていたので、その気持ちはまったくありませんでした。

荒木(絵) では、そこからどんな変化があって今につながっていったのでしょうか?

荒木(彩) SAGA久光に入団して2、3年目の時に、私と年齢の近い先輩である平山選手と中川美柚選手、現・埼玉上尾メディックスの濱松明日香選手の3人が一気に代表に選ばれ、「私、何しているんだろ」と思って。身近な先輩たちが日の丸を背負っていくなかで自分だけが日の丸を背負っていないのが悔しくて、そのために何ができるのかを意識しながら練習に取り組むようになりました。

ADVERTISEMENT

荒木(絵) 周りの存在って大きいですよね。

荒木(彩) 相乗効果ではないですが、周りがやっているから自分もほんとにやらなきゃ、って思います。

「このまま辞めちゃおうかな」

荒木(絵) 入団数年後には意識が変わったわけですが、その前、入団1年目に膝を痛め、その後も大きな怪我が続きました。焦ったり苦しい時はどのようにリハビリに取り組みましたか。

荒木(彩) 怪我することがすごく多かったのですが、2023年のネーションズリーグの予選ラウンドで右足首を痛めたのが自分の中で一番しんどい怪我でした。その時は、怪我ばかりしていたこともありましたし、オリンピックの直前の年だったこともあり、「もうこのまま辞めちゃおうかな」と思うくらいでした。一人だったら立ち直れなかったと思っています。そういった時でもチームメイトやスタッフの方が「ゆっくり休んでね」「ずっと待っているから」と声をかけてくれて。ありきたりかもしれませんが、その言葉がとても支えになりました。こんな自分でも待っていてくれる人がいるんだって思考になれて。ここで勝手に辞めても自分のためにもチームのためにもならない、と踏ん張りがききましたね。

荒木(絵) 競技を辞めたいというところまで落ち込んだのですか?

荒木(彩) はい、ほんとに……外傷的な怪我で、誰のせいにもできないという状況で一番しんどくて、リハビリも辛いことが多く、乗り越えられる気がしなくて、本当に辞めようかなと考えていた唯一の時期です。

荒木(絵) 辛いリハビリを乗り越えられる気がしないという言葉は、大怪我をした選手から時々聞きますが、どういったところがしんどさなのでしょうか。

荒木(彩) 私の怪我はそれまですべて手術をするほどだったのですが、体重をかけられない期間に筋力や感覚が失われ、それらを取り戻すにはとても長い時間がかかることを膝の手術時に経験していました。できていたはずのプレーができない辛さや、「本当はここまでできるのに」という思考とのギャップといった、そのやりきれないしんどさと言いますか……。

荒木(絵) 苦しかったあれをもう一回やるのか、という思いもありますよね。

荒木(彩) 実際、今も足首の捻挫の影響が残っていて、一昨年のジャンプ高と比べたら今の方が低いですし、感覚を戻すのに1年以上かかることを考えた時に、ああ、またあのきついキツイ感じを味わわないといけないのかというメンタル的な苦しさが一番嫌でした。

無料で聞いていいのかなって…

荒木(絵) でも周りのサポートもあり、頑張って乗り越えて戻ってこられたのですね。トレーナーの存在って大きいですよね。

【次ページ】 無料で聞いていいのかなって…

BACK 1 2 3 4 NEXT
#荒木絵里香
#荒木彩花
#SAGA久光スプリングス

バレーボールの前後の記事

ページトップ