日々是バスケBACK NUMBER

河村勇輝“パリ五輪・疑惑の笛”で議論を呼んだ因縁のレフリーと再会「彼女を見るとフランス戦を思い出しますね…でも恨む気持ちはまったくない」 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byJoe Murphy/NBAE via Getty Images

posted2025/03/21 11:05

河村勇輝“パリ五輪・疑惑の笛”で議論を呼んだ因縁のレフリーと再会「彼女を見るとフランス戦を思い出しますね…でも恨む気持ちはまったくない」<Number Web> photograph by Joe Murphy/NBAE via Getty Images

3月9日のソルトレイクシティ・スターズ戦で味方に指示を送る河村勇輝。後方にはパリ五輪・フランス戦でも笛を吹いたバーンズ主審の姿が

 試合を戦うなかでは、様々な駆け引きがある。対戦相手との駆け引きはもちろんのこと、時にはそれが審判を巻き込んでの駆け引きになることもある。

 そのことはGリーグでプレーしていても実感しているところだ。まわりの選手より一回り以上小さな河村の場合、特にディフェンスでは、チームの弱点とならないようにアグレッシブに自分から仕掛けていく必要がある。ファウルを吹かれないギリギリのところで、相手から嫌がられるようなしつこいディフェンスをしなくてはいけない。

珍しくコートで“苛立ち”を露わに

 3月9日のスターズ戦では、マークしている選手に対して、身体を当てに行くようなフィジカルなディフェンスを続けた結果、前半だけで3ファウル、第3Qには4つ目のファウルを吹かれてしまった。

ADVERTISEMENT

「NBAでプレーしたいなら、オフェンスだけでなく、特にディフェンスの部分で評価を上げていかないとこの先大変になると思う。ディフェンスができるっていうことをしっかりと証明しないといけない。アグレッシブにやらないと簡単にやられてしまいますし、そのアグレッシブさを相手が逆手にとって、ファウルをドローしてくることもある。その中でアグレッシブさを失わずにやりながらも、駆け引きとしてバランス持ってやらないといけないと思っています」

 このときの4つのファウルのうち、2つがバーンズの吹いた笛だった。特に4つ目のファウルのときは、河村も珍しく顔にフラストレーションを表していた。フランス戦での因縁を思い出しながら見ると変な深読みをしてしまうのだが、試合後に聞くと、河村はバーンズに対する嫌な感情はまったくなく、割り切っているという。むしろ、4つ目のファウルのときの感情は、駆け引きをうまくできなかった自分へのフラストレーションだった。

【次ページ】 「レフリーと選手は対等でなくてはいけない」

BACK 1 2 3 4 NEXT
#河村勇輝
#メンフィス・グリズリーズ
#アイザイア・トーマス
#田臥勇太
#ジャ・モラント

バスケットボールの前後の記事

ページトップ