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核心にシュートを!BACK NUMBER
「別に僕、前回予選で悪いことしてないですよ」冗談めかす鎌田大地だが…“名門バイエルンの重要戦力”DF伊藤洋輝を日本代表で生かすキーマンでは
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ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto/JFA
posted2025/03/20 06:02

鎌田大地と伊藤洋輝。ドイツで存在感を増した2人の選手が、日本代表で新たな化学反応を起こすか
「(コンパニ)監督はトップレベルでずっとDFとして活躍してきた方ですし、特に守備の部分に関しては個の部分も、チームとして日々守り方をミーティングで学ばせてくれています。そういったところで学んでいきながら、守備だけではなくて、攻撃でも幅を広げて行けたらなと思っています」
伊藤はバイエルン加入が決まった直後のインタビューで「同じセンターバックの選手として世界で活躍してきた監督から学べること」を楽しみにしていると語っていたが、今はそれが日常になっている。
そんな伊藤は、2月15日のレバークーゼン戦でも光るプレーを見せた。
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バイエルンがブンデスリーガで統計開始以来はじめて、前半に1本もシュートを打てないままで終わったのだが――前半最大のチャンスは、伊藤がインサイドハーフのように相手を背負って受けつつ、後方にいたムシアラにパスを落とし、ムシアラがファールを得た場面だった。
守田が話していた「彼の良さを知っておくことも大事」
では日本代表で、伊藤の良さをどうやって組み込むのか。
これまで、そういった発想が具現化されることはほぼなかった。伊藤のA代表デビューが前回カタールW杯の予選終了後だったことも関係しているだろう。実際、バイエルン移籍で脚光を浴びる前から、彼の良さを活かすことを課題に挙げていた選手は守田英正くらいだろう。守田は以前、こう話していた。
「(伊藤)洋輝はクラブでも、リーグでも評価が高くて。でも、それを代表に上手く落とし込めていないのなら……もちろん彼にも課題があるでしょうけど、周りにも課題があるということだから。やはり、周りが彼の良さを知っておくことも大事です」
伊藤がもっとも代表戦で輝いたのは、おそらく昨年のアジアカップ初陣のベトナム戦の後半だった。そこでも守田は、伊藤を活かすためにこんな工夫をしていた。マイボール時には、それまで左サイドバックにいた伊藤が中寄りのポジションを取り、守田が伊藤の左前にポジションを取る〈3-2-4-1〉のような形にしてはどうかと提案したのだ。
「あのポジションをサイドバックの選手が取れると、相手は前に出て来られなくなります。次に(トップ下右寄りに移った南野)拓実が開くので。彼のところに相手がついてきたら、今度は(右ボランチのようなポジションになった)航が空くので」
とはいえ、当時からそこまで考えられていたのは例外と言える。
リンクマンとなれる鎌田がキーマンなのでは
ともかく、攻撃陣の選手の良さを生かすと同時に――伊藤の良さもまた、チームとして生かしていかないといけない。そのとき、キーマンとなるのが鎌田大地である。