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「大谷翔平の打率.318、51本塁打123打点なら三冠王も」昨季は“予想を大きく上回る”50-50だったので…「2025年も破天荒な成績」を夢見たい 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byAP Photo/Hiro Komae/AFLO

posted2025/03/18 06:03

「大谷翔平の打率.318、51本塁打123打点なら三冠王も」昨季は“予想を大きく上回る”50-50だったので…「2025年も破天荒な成績」を夢見たい<Number Web> photograph by AP Photo/Hiro Komae/AFLO

昨年は50−50の偉業を達成した打者・大谷翔平。2025年の打撃成績を予想すると……?

 もう一度、昨年の成績を記す。

 159試合636打数197安打54本塁打130打点59盗塁81四球 打率.310

 投手は全休で、打撃一刀流のシーズンに生まれた事象が2つある。

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「投手としての登板日前後に試合を休んだり、投球の疲労を考えて、休養日を取ることが無くなった」

「当初の打順は2番だったが、1番打者のムーキー・ベッツが死球で戦線離脱。それ以降、ロバーツ監督は大谷を1番打者に据えた」

 ここから、空前の成績を残すに至った2つの要因が導き出せる。

打席数731はダントツの1位だった

〈要因1:出場試合数、打席数が激増した〉

 大谷は3試合しか休まなかった。出場試合数159はリーグ7位、打席数731は、レッズのデラクルーズの696を大きく上回るダントツの1位。リーグ最強打者の大谷が、最も多く打席に立ったのだから、本塁打も打点も増えるはずである。

 さらに、ロサンゼルス・エンゼルスからロサンゼルス・ドジャースへ移籍したことも大きかった。

 エンゼルス時代は、チームの怖い打者と言えばマイク・トラウトしかいなかったので大谷は勝負を避けられることが多かったが、2024年からはベッツ、フレディ・フリーマン、テオスカー・ヘルナンデスらを擁する強力打線の主軸を打つことになった。

 これに付随した、2つ目の要因がある。

〈要因2:大谷は昨年より“勝負されるようになった”〉

 大谷の四球数は91から81へと10減った。このうち敬遠(IBB)は「21から10」へと半減した(それでもフィリーズのブライス・ハーパーの「11」に次ぐ2位)。大谷は誰よりも多く打席に立った上に、前年よりも勝負されるようになった。そのため、打撃成績が向上した。

 大谷は打率も一昨季の.304から.310にアップした。6厘のアップだが、MLB全体の平均打率が23年の.248から.243と下落する中での打率アップは、小さくはない。

 MLB公式サイトのデータランキングコーナー「スタットキャスト」では、23年から「コンタクト率」を公表している。このうち「スクエアアップコンタクト率」は、バットスピードに関わらず、打者がスイングした際にバットの芯にボールが当たった率をいう。

 2023年の1位は、リーグをまたいで3年連続首位打者のルイス・アラエズ(現パドレス)で49.1%、大谷は29.1%で184位だった(レッドソックス吉田正尚は39.8%で18位、カブス鈴木誠也は36.2%で51位)。この数値が2024年の大谷は37.3%、27位に上がった。つまりバットの芯に当てる数値が急速に上昇している。

最新打撃マシンで「vs投手・大谷」をしている?

 これは偶然でも自然増でもないだろう。

【次ページ】 昨季は59盗塁だが…さすがに投手復帰するだけに

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