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大阪勢98年ぶりセンバツ甲子園“出場校ゼロ”の衝撃…「例年のようにパワーで圧倒できなかった」それでも「夏こそは、という思いは強いです」 

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沢井史

沢井史Fumi Sawai

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posted2025/03/18 06:02

大阪勢98年ぶりセンバツ甲子園“出場校ゼロ”の衝撃…「例年のようにパワーで圧倒できなかった」それでも「夏こそは、という思いは強いです」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2023年のセンバツには大阪から履正社の大阪桐蔭の2校が出場。大阪桐蔭は前年センバツの覇者でもあった

 さらに多田監督は続ける。

「今年は小柄な選手も多く、例年のようにパワーで圧倒できるようなところがウチにはありません。秋は特に力不足でした」

 滋賀短大附のエース左腕・櫻本拓夢はストレートの最速が125キロで制球力を持ち味とする技巧派だ。その櫻本を相手に、初回に一死・三塁から中犠飛で先制するも、以降は安打が続かず、放った7安打はすべて単打だった。

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 さらに大阪桐蔭は初戦で滋賀学園の最速142キロ右腕・長崎蓮汰を打ちあぐみ、7安打するも唯一連打が生まれた4回の2得点のみに終わった。結果的に、5年連続で出場していたセンバツがこの春で途切れることとなった。

「センバツに大阪勢不在」の持つ意味は?

 ただ、「センバツで大阪勢不在」であることは、そこまでネガティブに受け止めることなのだろうか。

 大阪は「甲子園のお膝元」と言われ、全国屈指の激戦区ではある。だが、同じ激戦区では神奈川県勢も2015年から3年連続でセンバツ出場がなく、近年では22年、24年もセンバツ出場がなかった。同様に強豪ひしめく愛知県勢も過去20年で見れば07年、11年、13年、22年とセンバツに出場校を送り出していない“空白の年”はあった。

 今回、近畿のセンバツ出場校の顔ぶれを見ると、兵庫県、奈良県からは各1校、和歌山県、滋賀県からそれぞれ2校が出場している。近畿大会でともに初戦で大阪の高校を破った滋賀県勢は近年、22年センバツで準優勝した近江をはじめ、昨夏の甲子園でベスト8進出を果たした滋賀学園など全国の舞台で躍動する学校が目立つ。

【次ページ】 各府県のレベルが拮抗してきている

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