テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER

「茶と白の毛色の犬が…」デコピン初登場時、大谷翔平の番記者は脳内大混乱「誰が愛犬の世話するの?」「私生活の変化を想像できてなかった」

posted2025/03/22 11:00

 
「茶と白の毛色の犬が…」デコピン初登場時、大谷翔平の番記者は脳内大混乱「誰が愛犬の世話するの?」「私生活の変化を想像できてなかった」<Number Web> photograph by MLB Photos/Getty Images

2023年のア・リーグMVP発表時の大谷翔平とデコピン。初登場時、視聴者だけでなく番記者の脳内も大混乱だったようだ

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柳原直之(スポーツニッポン)

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara

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 ひとりの番記者として大谷選手にした数百の取材質問の中から、WBC優勝、2024年ワールドシリーズ、記憶に残る試合、真美子夫人との結婚や愛犬デコピン、二刀流など、メジャー移籍後を中心に背番号と同じ17の質問を選び、回答や記者とのやり取りから人間・大谷翔平をあらためて見つめる。書籍『大谷翔平への17の質問ー取材現場で記者はどんな葛藤と戦いながら質問をするのかー』(アルソス)から一部転載にてご紹介します。〈全6回/第6回につづく〉
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【質問:デコピンの名前の由来は何ですか?】

一体、誰が飼っている犬なのか

 2023年のシーズン、大谷は44本塁打を打って日本人選手初の本塁打王に輝き、投手としても10勝を挙げるという見事な成績を残した。その年のオフ、11月16日。シーズン中より少しふっくらした印象の顔つきでメジャーリーグ専門局「MLBネットワーク」によるMVP発表中継に登場した大谷の腕の中には、端正な雰囲気をまとった茶と白の毛色の犬が鎮座していた。

 柔和な表情で犬とツーショットでソファに座る大谷。犬が大谷の腕をすり抜けようとすると「もうちょっとさ、頑張ろうよ」と甘い声で呼びかける場面などもあり、そんな様子に視聴者も画面に釘つけになったことだろう。少なくとも私は目にしている情報を瞬時に処理する能力が固まりそうになるほど驚いた。

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 メジャー史上初となった2度目の満票でア・リーグMVPの受賞が発表されると、大谷は自身の左手を犬に向け、犬の前足とハイタッチ。そして犬の頭にキスをして「個人的に、こうやって獲れて特別」と笑みを浮かべた。それを見ながら私は「今日の紙面は大変なことになるな」と、長い1日への心の準備を始めた。

 メジャーリーグの公式サイトが「大谷の犬こそ真のMVP」と着目するほど犬が話題をさらった。日本の情報番組は大谷のMVP受賞のニュースとともに、この犬の話題一色だった。SNSや情報番組で、オランダ産の小型犬の一種である「コーイケルホンディエ」とすぐに特定された。

まだ大谷の私生活の変化を想像できていなかった

 一体、誰が飼っている犬なのか。これが最大の疑問だった。

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