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後藤洋央紀45歳「オレはバカです。家業を継がず…」亡き父に捧げるIWGP戴冠…“9度目の正直”がファンの胸を打った理由「ベテランの挑戦、何が悪い」 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2025/02/14 17:05

後藤洋央紀45歳「オレはバカです。家業を継がず…」亡き父に捧げるIWGP戴冠…“9度目の正直”がファンの胸を打った理由「ベテランの挑戦、何が悪い」<Number Web> photograph by Essei Hara

悲願のIWGP世界ヘビー級王座を手にした後藤洋央紀(45歳)。2月11日、大阪府立体育会館

ファンも大合唱「IWGPのGはGOTOのG!」

「混沌の荒武者」を後藤コールが包んでいた。判官びいきというやつだと言われれば、それも致し方ない。後藤は気合を入れて、自分らしい戦い方に徹した。

 そして、リングには強いザックがいた。

 後藤は攻められて、強烈なエルボーを浴びた。でも後藤は引かなかった。かつぎあげての牛殺しがザックに炸裂した。ザックはロープ越しに腕を攻め続けた。これは後藤に対しては効果的だった。ラリアットを含めての、フィニッシュにつながる後藤の一連の得意技を封じる意味がある。後藤は河津落としをいいタイミングで放った。ザックドライバーを浴びても立ち上がった。そしてザックの後頭部へGTR。旋回式のザックドライバーが火を噴く。拷問関節サブミッションにも後藤は耐えた。

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 エルボー、ラリアットの応酬。スリーパーホールド。無双ラリアット。がむしゃらな頭突き。

 後藤はGTR改からザックをがっちりエビ固めに丸め込んだ。

「後藤が取れてよかった」と素直に思った。スタンドには「勝っちゃったよ」と両腕を突き上げて歓喜する多くのファンの姿があった。後藤の夢はその瞬間に、現実になった。

「今日の勝利を亡き父に捧げます。知ってる方もたくさんいるでしょうが、オレはバカです。長男でありながら、家業を継がず……。そんなオレでもあきらめなければチャンピオンになれるんです。オヤジ、取ったぞ!」

「一生に一度のこと」とファンに断って、息子と娘をリングにあげた。「よく見とけ。これがパパが目指した光景だ」と。「オレの後押しをしてくれた自分自身の体にありがとうございますと伝えたい」とも付け加えた。

「後藤革命は始まったばかりだが、なんのGかわかるか。そうだ。行くぞ! 行くぞ!」

「IWGPのGはGOTOのG!」

 ファンの大合唱が会場にこだました。大阪府立体育会館は大規模な改修工事に入るため新日本プロレスがここでまた試合ができるのは2年後かもしれない。

【次ページ】 最初の挑戦者は“棚橋社長”、永田裕志も挑戦に名乗り

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