甲子園鮮烈デビュー、あの巨人戦から10年…“阪神ドラフト1位”意外すぎる現在の姿とは？「26歳で戦力外通告」「引退後は安定した生活を捨て…」 

　出身は山形県東村山郡中山町。人口1万人程度の小さな町だが、東北楽天ゴールデンイーグルスの二軍の本拠地である「ヤマリョースタジアム山形」を有する。横山にとって幼き頃から野球は身近にあり、プロ選手達の背中を見て育った。

　小学2年生で地元のスポーツ少年団で野球を始めた。父は元高校球児、兄も白球を追いかけた野球一家だった。地元の中学校に進学して野球部に進むも、公式戦では地区大会で1回戦負け。硬式球をはじめて手に取ったのも、中学野球が終わる頃であった。

「横山をマウンドに立たせるな！」

　それでも横山は地元では知られた存在だった。投げるボールはもちろん、少し言い方を換えると、ヤンチャな気質を周囲から咎められることも珍しくなかった中学時代でもあった。横山が回顧する。

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「地元の中体連からは、『横山をマウンドに立たせるな』『マウンドに立つ資格がない』とすら言われてました。ヤンキーではないけど、血気盛んでしたね。だから、高校に上がる頃には『横山は何がどうなってあんなに変わったんだ』とよく驚かれていました」

左は小学生時代、右は中学時代の横山雄哉（本人提供）

　推薦で県内の私立高校への進学が決まっていた。後にプロ選手を9人育て、北海道日本ハムファイターズでも働いた山形中央高校の庄司秀幸監督（当時）と話したことが転機となる。

「一緒に私立を倒さないか」
「野球以外のこともしっかり教えていくつもりだ」

　当時の山形中央は、県で上位には進むも甲子園出場経験はゼロ。しかし、腫れ物のように扱われることもあった少年の心に庄司の真っ直ぐな言葉は響いた。私立には断りを入れ、同校の体育科へ進学を決めた。

　野球人生で一番キツかったのは間違いなく高校時代だったという。練習量も膨大だった。しかし、キツさの最大の理由は“厳しすぎた”野球部の規律面が大きい。

「1分、1秒を無駄にするな」

　そんな庄司の教えを部員たちは忠実に守った。

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