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「中吊りに自分の顔があって…」メグカナに憧れた少女が“春高ヒロイン”になれた理由…二見梓が振り返る「悔しい思い出しかない」高校時代
text by

吉田亜衣Ai Yoshida
photograph byL)Takuya Sugiyama、R)AFLO
posted2025/02/05 11:00

大和南高校で春高バレーの舞台でも躍動した二見梓さん
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二見が“Vリーグのヒロイン”になった日
トッププレーヤーの仲間入りを果たした二見にツキがまわってきたのは、1年目のシーズン終盤だった。二見は荒木のポジション対角に入った。
「入った当初はユニフォームも着ていないですし、後輩の仕事に徹していました。でも、リーグ終盤になると勝ち星にも余裕ができて、ユニフォームを着させてもらえたんです。そのとき、セッターの中道さんが私にたくさんトスを上げてくれました。先輩はニコニコしながら、“してやったり”と悪い顔をして、相手チームにマークされていない私にトスする(笑)。あの表情は忘れられないですね。そのおかげでちょっとチャンスを掴めました」
そこから優勝する瞬間まで二見はコートに立ち続けた。日本一を味わい、優勝インタビューを受けるなど正真正銘Vリーグのヒロインの座も手にした。
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同年にはシニアの代表入りを果たし国際大会(アジアカップ)に出場。翌2013年春にはロンドンオリンピック後の新チームとなる代表候補メンバーに名を連ねた。バレーボールを始めたときにイメージしていた理想の姿と現実が、いよいよ重なり合おうとしていた。
しかし、その2年後。二見は23歳のときに大好きだったバレーボールの競技生活に幕を下ろしたのである。《インタビュー第2回に続く》
(撮影=杉山拓也)
