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「井上尚弥と戦うチャンスを逃したくなかった…」26歳グッドマンは初めから“逃げる”気だった、は本当か? 異例の2回ドタキャン挑戦者の言い分
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byHiroaki Finito Yamaguchi/AFLO
posted2025/01/20 11:04
昨年10月、会見にオンラインで出席し、意気込みを語っていたサム・グッドマン
井上対グッドマンの中止決定後、グッドマンが来日までの間に再びスパーリングをした判断の是非への議論が沸き起こった。試合延期を余儀なくされるほどの傷を負った後で、もう接触のある練習は完全に避けるべきだったのか。あるボクシング関係者は、「自分だったらもう余計に追い込む練習はさせない」と述べていた。
その一方で、ミトレブスキー氏は「世界最高のボクサーとの対戦に直前の6週間、実践練習なしで臨めというのか? 勝つために戦うのであれば、スパーを行わずにはいられない。しかもあの時に行ったのはハードなスパーリングではなく、技術をチェックするための軽いスパーだった」とグッドマン陣営の判断を正当化した。
「彼らは賭けに出て、それに敗れた」
この件に関し、試合前にグッドマンとスパーリングも行ったという前WBO世界バンタム級王者ジェイソン・モロニーは同じオーストラリア人の僚友に同情的。「後からいろいろと言うのは簡単ですが、難しい状況ではありました」と静かに話した。ジェイソンの兄で元WBA世界スーパーフライ級王者のアンドリュー・モロニーも試合直前、最後のスパーで負傷してキャンセルした経験があったという。
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もっとも、グッドマンがたまらなく不運だったことを理解した上で、モロニーは慎重に言葉を選びつつ、最後に付け加えた言葉こそがおそらくは業界内で尊重されるべき真実だったとも思えてくる。
「カットで試合が延期されたなら、その傷がきちんと治るまで待ち、さらなるケガを犯すことなく試合に臨むために最善を尽くさなければなりませんでした。好調な状態で試合に臨むためとはいえ、スパーリングを行うのはリスキーすぎたのでしょう。彼らは賭けに出て、それに敗れたということ。今のサムは試合前にもうスパーをしなければよかったと思っているんじゃないかと思います」