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「井上尚弥と戦うチャンスを逃したくなかった…」26歳グッドマンは初めから“逃げる”気だった、は本当か? 異例の2回ドタキャン挑戦者の言い分
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byHiroaki Finito Yamaguchi/AFLO
posted2025/01/20 11:04
昨年10月、会見にオンラインで出席し、意気込みを語っていたサム・グッドマン
「井上との対戦は、軽量級のボクサーにとって人生を一変させる舞台。もちろん勝つのは非常に難しく、リスクは大きいですが、見返りも莫大なステージなのです」
2020年10月に井上に挑み、KOで敗れたものの、その経験を糧に後の世界王座奪取につなげたモロニーのそんな言葉は実感を持って響いてくる。
世界王座が増えた今でも、世界タイトルマッチのステージに立つのは並大抵の難しさではない。今や軽量級のドル箱として確立した井上のようなスーパースターが相手となればそれはなおさら。波乱の展開となった“幻の指名試合”は、グッドマンが“人生を一変させる舞台”を寸前にして挫折し、井上の輝かしいキャリアの中でも極めてユニークなシナリオを辿った一戦として語り継がれていくのだろう。