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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「東京ドームの観客数…これは寂しい」新日本プロレス“棚橋丸”を救うのは誰なのか?「メインを食った」ゲイブ・キッドという希望「救世主はこの3人」
posted2025/01/11 17:36
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
持っていったのはゲイブ・キッドだった。セミファイナルなのに、「1.5」のメインを食ってしまった。
「寂しい観客数の東京ドーム」で見えた希望
2025年の新日本プロレスは新年から苦戦を強いられた。1月4日、5日と連日で開催された東京ドーム大会は、あまり注目されなかった。社長の棚橋弘至はEVILとのランバージャック・デスマッチで自身の引退ロードをスタートしたが、「メインのカードが弱い」「魅力を感じない」といった声は動員にはっきりと反映された。観客数は主催者の発表でそれぞれ2万4107人と1万6300人。これは寂しい。2日間合わせても満員にはならない。
1月4日のメインイベント、ザック・セイバーJr.と海野翔太のIWGP世界戦については別の記事で否定的に触れたが、来場した人たちの心を動かした試合はいくつか存在した。
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4日については、AEWインターナショナル王者の竹下幸之介(KONOSUKE TAKESHITA)vs.鷹木信悟。そして辻陽太が王者デビッド・フィンレーに挑み、ベルトを奪ったIWGP GLOBALヘビー級王座戦。またスターダムのIWGP女子王者・岩谷麻優はAZMを相手に、ふだん女子プロレスを見ない人たちにその存在をアピールできた。
5日は竹下と石井智宏が期待を裏切ることのない試合を見せた。この日、竹下は新日本プロレスと契約を交わしたことを自らの口から明かした。これで竹下はDDT、AEW、新日本という3つの団体と契約しているレスラーになった。竹下は「世界統一」という大風呂敷を広げる。
竹下のマネジャーのドン・キャリスは「イノキやリキドーザンよりすごいんだ。だからジ・アルファなんだ」と演説したが、パワフルで勢いのある竹下がこれから新日本のリングに上がるということは明るいニュースだ。竹下はIWGP世界王座の有力コンテンダーだし、ベルトを巻くことに異論をはさむ余地もない。夏の『GI CLIMAX』にもエントリーされるだろう。今後、竹下がらみのカードが人気を呼ぶことは間違いない。