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「引退する前に息子とNBAで同じコートに立つ」40歳レブロン・ジェームズが叶えた“夢”…1年半前、心臓発作で倒れた息子と“奇跡の共演”
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byAP/AFLO
posted2024/12/30 11:06
息子ブロニー(右)とNBAのコートに立ったレブロン・ジェームズ。父として、チームメイトとして、息子をサポートした
「試合でプレーする機会を得るたびに、彼は自分自身を取り戻す機会を得ていると感じる。プレーするごとに慣れていき、本能でプレーできるようになってきた。彼はずっとそうやってプレーしてきたんだ。彼自身が言っていたように、あの一件(心臓発作)から、ようやくメンタル面で立ち直ってきた。やっとすべてが元通りになってきた。何よりも彼がプレーしているのは見ていて嬉しい。まだまだ成長の余地がたくさんあるし、成長し続けるだろう。彼は努力するのが好きだし、ビッグリーグ(NBA)でプレーしたいと思っているからね」
最近のレブロンは、引退が近づいていることを常に意識している。それが次の夏なのか、もうひとつ先の夏なのかは身体とマインドの健康状態次第。ひとつ言えることは、チームメイトとしての息子の存在はそんな彼の活力になっているということ。息子にプロ選手としてのあり方を見せ、苦しんでいるときは愛情を注ぐ。シーズンの合間に見せる父親の顔のレブロンを見ていると、家族こそが彼がここまで長く、トップレベルでプレーできた理由なのだと思うのだった。